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「背中を見て覚えろ」の限界


いつもお世話になっております。
ラストコンパスの黒田でございます。


日本の人口減少、そして少子高齢化に伴い、あらゆる業界で労働力不足が叫ばれています。
なかでも私たち住宅業界における人材難は、非常に深刻だと思います。


「優秀な経験者が採用できない」
「新卒を募集しても応募が来ない」


こうした悩みを抱えている経営者様も多いのではないでしょうか?


今回は、そんな時代だからこそ
「新人を一人前に育てる教育の仕組み」についてお伝えします。



優秀な人材を「採用」するのではなく、今いる社員を「教育」する

以前、私が尊敬している、大手ハウスメーカーで経営をされていた方がこのようなことをおっしゃっていました。


「残念ながら、住宅業界というのは今の若者にとって人気業種ではない。
大手ハウスメーカーであっても、優秀な人材はなかなかやってくることはない。
だからこそ、外から良い人材を探すことに躍起になるより、
『今いる社員、入社してくれた社員をいかに教育してレベルを上げるか』
これしかないと思った方が良い」


大手ハウスメーカーで経営をされていた方が「大手でも優秀な人材の確保は難しい」と断言されているのです。
その説得力は凄まじいものがありました。
トップブランドを持つ大手でさえそうなのですから、
地域の工務店やビルダー様であれば、なおさらこの現実に直面されているのではないでしょうか?


しかし、日頃お話を伺っていると「一人前になる前の新人教育」に課題を感じている工務店様が多くいらっしゃいます。


営業の場合: 経験がなく、一人でクロージングや受注まで持っていけない。

工務の場合: 未経験で専門知識がなく、現場を一通り管理することができない。


このような状況から、どのようにして戦力化していけば良いのでしょうか?
重要なポイントは「適職の組織編成」と「教育の仕組み化」の2つにあります。



ポイント①:教育の前に「その人に合った職種」を見極める

まず前提として、教育を始める前に「その人材の適性を見極め、正しい職種に配置すること」がものすごく重要です。
「前職で営業をやっていたから」という理由だけで営業に配属しても、上手くいくとは限りません。


とある経営者様からお伺いしたのですが、興味深い事例を2つご紹介します。


事例1:総務からトップセールスへ転身した男性
総務経理として勤務していた男性社員がいました。
彼は「今の給料に満足できない、もっと稼ぎたい」という想いを持っていました。
そこで経営者は、彼のコミュニケーション能力の高さに着目し、
「そこまで稼ぎたいなら営業をやってみるか」と異動を打診しました。
結果、彼は営業に転身してわずか半年で単独受注を達成。
3年後には年間24〜25棟を受注するトップセールスへと成長しました。


事例2:営業事務から社内No.1のインテリアコーディネーター(IC)へ
また、営業補佐をしていた女性社員がいました。
彼女は「営業的なアプローチや数字を追いかけるのは苦手」と感じていたため、
経営者は彼女をIC(インテリアコーディネーター)職へ配置換えしました。
すると、彼女は水を得た魚のようにすぐに資格を取得。
誰よりも多くの棟数をこなす、会社に欠かせないエースICへと成長しました。


限られた人的資本で戦わなければならない住宅業界において、社員の適性を見極めることはとても大切です。
正しい配置は、会社にとっても社員にとっても幸せな未来に繋がります。


そして、この見極めは「採用時」に行うのが最も効果的です。


「面接の直感」を疑い、適性検査(SPI)を活用する

面接はせいぜい1〜2時間程度。その短い時間で求職者の本質や適性を見抜くのは、現実的に不可能です。
そこで活用したいのが、日本で最も利用されている適性検査「SPI」です。


「SPIは大企業が使うもの」と思われがちですが、社員数名の地域密着型工務店でも導入が進んでいます。


ある工務店様では、採用時に必ずSPIを受講させています。


一度、面接での印象が非常に良く「優秀だ」と感じた求職者がいました。
しかしSPIの結果は「情緒面に不安があり、マネジメントが難しく、馬力も不足している」という診断。
迷った末に採用し、営業に配属したところ、半年ほどで退職してしまいました。


一方、面接時の印象は一見パッとしなかったものの、SPIで「営業への高い適性」が出た方がいました。
半信半疑で採用したところ、すぐに現場に適応し、
毎年コンスタントに年間12棟を受注する優秀な営業マンに育ったという事例もあります。


面接の「直感」だけに頼らず、科学的なデータを用いて適性を見極めることが、教育を成功させる第一歩です。



ポイント②:ステップを踏んだ「教育制度」を作成する

適正な配置ができたら、次は具体的な教育です。
住宅業界で今でも主流なのは、「OJT(先輩の背中を見て覚えろ)」という教育方法です。
しかし、私自身もいわゆる「Z世代」に属するのですが、本音をお伝えさせていただきます。
「背中を見て覚えろ」というスタイルの会社に対し、今の若者は良い印象を持ちません。
さらに、「成長できる環境」だとは判断されず、成長意欲のある求職者の候補から外される可能性があります。


特に地方で新卒採用をする場合、競合となるのは地元の金融機関や公務員、大手製造業(トヨタ系やキャノン、東芝など)です。
彼らは給与や福利厚生、知名度で上回るだけでなく、「整った教育制度」を当たり前のように用意しています。
彼らと採用市場で渡り合い、採用をしていくためには、体系的な教育制度が不可欠です。


そこで、未経験の新人教育にご活用いただきたいものが、「スキルアップシート」です。


スキルアップシートで「何をすべきか」を可視化する

スキルアップシートとは、業務で求められる知識やスキルを細かくリスト化し、
個人の習熟度や達成目標を可視化・記録する評価シートです。


新人の頃は、自分が何をすべきで、そのためには何が必要なのかが1mmも分からない状態です。
その状態で「1年以内に1棟契約してこい」と言われても動けるわけがありません。


1棟の受注(あるいは1棟の施工管理)のためには、具体的にどのようなステップがあるのか。
そのステップを乗り越えるにはどんな知識・スキルが必要で、それを獲得するためにはどのような行動を起こせばいいのか。


これらを一目でわかるように可視化し、「週に1回(最低でも月に1回)の定期面談」で目標設定と進捗管理を行ってあげること。
これこそが、管理職や経営者の重要な役割だと考えています。


さらに、このシートと連動して「スキルの習熟度が上がれば給与も上がる」という人事評価に紐づけられると、
若手のモチベーションは爆発的に高まります。



最後に

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
「理屈はわかるが、うちは少数精鋭でやっているから、そんな仕組みを作る時間も余裕もないよ」
と思われた経営者様も多いかもしれません。


しかし、工務店・住宅会社を存続させ、成長させていくために、
「採用」と「教育」をしないというのも難しいのでないでしょうか?


弊社では、こうしたビルダー・工務店様向けに、未経験者を戦力化する採用・教育のノウハウを随時発信しております。


今回ご紹介した「住宅会社向け・スキルアップシート」の具体的なサンプルや、
その運用方法について詳しく解説する無料セミナーも定期的に開催しております。
ご興味のある経営者様は、ぜひお気軽にご参加ください。


▼【無料】住宅会社向け 採用・育成仕組み化セミナーの詳細はこちら
https://lastcompass.co.jp/news/seminar-human-resources


梅雨も明け、これから本格的に暑い季節がやってまいります。
皆様もお体に気をつけてお過ごしください。


今後ともよろしくお願いいたします。


ラストコンパス 黒田

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