要素分解と比較(後半)
こんにちは。
今回は前回に引き続き、問題解決や目標必達に直結する2つのポイントをお伝えいたします。
前回、成果に問題があった場合には、
その成果を構成する要素に分解していくことの重要性をお伝えしました。
この「要素分解」を行うことで、
問題点の明確化、問題解決を行う優先順位が明確にするための準備が整います。
前回に引き続き、架電→アポイント→契約という営業フローの業種における、
「契約件数」を例に挙げて状況を整理していきます。
契約件数を要素分解していくと
契約数 = ①提案数 × ②契約率
= ③架電数 × ④アポイント率 × ②契約率
となりました。
※詳しくは前回の内容をご確認ください。
https://lastcompass.co.jp/news/54121
要素分解をしたことで、
契約数を構成する要素は「架電数」「アポイント率」「契約率」の3つとなり、
契約数を増やすためには、この3つの要素の数字を上げるしかないということが分かりました。
※あくまでも一例なので、分解の仕方は一通りではありません。
また、もし仮に「契約件数」ではなく「売上」を分解するとしたら
×「平均単価」となり、「粗利額」を分解するとしたら×「粗利率」となります。
さて、要素分解を行った上で、各数値を算出していきます。
仮にAさんの月間の各数値が
・総架電数 : 1200件
・総アポイント数 : 60件
・総契約数 : 6件
だったとします。
この結果から
・架電→アポイント率:60÷1200=5%
・アポイント→契約率:6÷60=10%
・架電→契約率 :6÷1200=0.5%
ということなども合わせて分かります。
しかしこれだけではまだ不十分です。
ここに2つ目のポイントである「比較」を行うことで、
状況をより明確に把握することができます。
一番わかりやすい例が、
「他プレイヤー」との比較です。
同じ環境下の他のプレイヤーと実績を比較することで、
それぞれの長所、短所が明確になります。
例えば、A~Dさんの実績が以下のようだったとします。
プレイヤー |
架電数 |
アポイント数 |
契約数 |
A |
1200件 |
60件 |
6件 |
B |
1480件 |
88件 |
7件 |
C |
1340件 |
62件 |
7件 |
D |
1620件 |
112件 |
10件 |
このように他のプレイヤーと比較をすると、
各フェーズごとに誰が強くて、誰が弱いかなど詳細も把握できるようになります。
さらに情報を追加していきます。
プレイヤー |
架電数 |
アポイント数 |
契約数 |
架電→アポ率 |
アポ→契約率 |
架電→契約率 |
A |
1200件 |
60件 |
6件 |
5.00% |
10.00% |
0.50% |
B |
1480件 |
72件 |
7件 |
4.86% |
9.72% |
0.47% |
C |
1340件 |
62件 |
7件 |
4.63% |
11.29% |
0.52% |
D |
1620件 |
82件 |
9件 |
5.06% |
10.98% |
0.56% |
平均 |
1410件 |
69件 |
7件 |
4.89% |
10.50% |
0.51% |
このように「歩留まり」を追加すると実態がかなり把握できるようになります。
また、「平均」も算出することで各自の各項目を平均と比較した場合の優劣も明確になります。
この表を見ると、Aさんが業績不振な原因が見えてくるはずです。
架電からの契約率は0.50%で平均の0.51%と比較してもほとんど変わりません。
しかし、架電数を見ると平均の1410件に対して1200件と大幅に下回っております。
提案力に問題があるのではなく、架電件数が少ないことが要因であることが明らかです。
しかしこのことを把握していないと、
Aさんに対して「契約率を上げるために提案力を磨く」というような最優先ではない育成をしてしまうかもしれません。
状況を正確に把握して、適正な解決方法を実施するためにも、
「要素分解」をした上で「比較」をしていきましょう。
また、今回は「他プレイヤー」や「平均値」との比較をお伝えしましたが、
競合他社との比較(データがあればですが)や会社が定める目標値(KPI)との比較も非常に効果的となります。
ぜひ実践してみてください。
後藤