要素分解と比較(前半)
こんにちは。
今回は問題解決や目標必達に直結する2つのポイントをお伝えいたします。
ひとつ目は「要素分解」です。
成果に問題があった場合、
その成果を構成する要素に分解していくことで、
「どこに問題があるのか」
「最優先で解決すべき要素はどこなのか」
を明確にしていきます。
例えば、
契約件数が目標に届かない状況下にあるとします。
契約件数の目標は120件なのに、
85件しか契約できていないとします。
達成率は70.8%です。
ここで、
「クロージングの精度が低いから成果が出ないんだ、
ロープレしてクロージングの精度を上げよう!」
と決めつける前に、一度状況の整理をしましょう。
いまの状況は、
人間の体に例えると、なんとなく体調が悪いという状況です。
元気なときを100%とすると70.8%の健康状態ということになります。
ただし、なぜ体調不良なのか、
原因は分かっていない状態です。
ここで、
「おそらく風邪だから温かくして寝れば大丈夫だろう」
と決めつけてしまうようなものです。
もしかしたらただの風邪ではなく、
感染症やアレルギー反応かもしれません。
人間が健康診断や診察を受けて、
身体の状況を正確に把握するように、
成果における要因を正確に把握する必要があります。
前置きが長くなりましたが、
要素分解していきましょう。
まず「契約件数」を構成する要素に分解していきます。
契約件数 = ①提案数 × ②契約率
に分解できます。
このときにMECE(ミーシー)になっていることが重要です。
※MECE:「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語で、「漏れなく、重複のない」状態を指します。
例えば、紹介やルートからの契約が別途発生するようであれば、
契約件数 = ①提案数 × ②契約率 + ★紹介件数
のようになります。
ここでは新規契約のみの業種と仮定して進めていきます。
契約件数を増やすためには
- 提案数を増やす
- 契約率を上げる
の2つの方法しかないことが分かります。
次に、「①提案数」をさらに分解していきます。
ここからは業種によって変わるので、
STEP1 電話営業
STEP2 訪問による提案
STEP3 契約
のようなフローの業種と仮定します。
この場合、
①提案数 = ③架電数 × ④アポイント率
になります。
提案数を増やすためには
- 架電数を増やす
- アポイント率を上げる
の2つしかないということになります。
先程の式と組み合わせると
契約数 = ①提案数 × ②契約率
= ③架電数 × ④アポイント率 × ②契約率
となり、
契約数を増やすためには
- 架電数を増やす
- アポイント率を上げる
- 契約率を上げる
の3つしかないということになります。
つまり思うように成果が出ていないのであれば、
- 架電数が足りない
- アポイント率が悪い
- 契約率が悪い
のいずれかになります。
この3つの要素のうち、最も弱点となる要素を強化していくのが
最も効果的な改善策となります。
今回は分かりやすさを重視して、
簡単な例でお伝えいたしましたが、
実際にはもっと複雑になることが多いと思います。
また、契約件数に限ったことではありません。
仮に「売上」を分解するなら、
売上 = 契約件数 × 平均単価
のように分解し、あとは先程のように「契約件数」を分解していくと良いです。
他にも、「集客数」を分解してみましょう。
仮に「イベント来場」と「問い合わせ」が主な集客だとします。
すると、
集客数 = イベント来場数 + 問い合わせ数
となります。
次に、
「イベント来場数」を分解していくと、
イベント来場数 = イベント日数 × 1イベントあたりの集客数
となり、さらに「イベント日数」は「イベント開催数×1イベント平均日数」に
「1イベントあたりの集客数」は「DM送付数※×反響率」のように分解ができます。
※イベントへの誘致はDMによるものと仮定
一度、ご自身の業務における成果の要素分解をしてみてください。
今回は要素分解に関する基本となりましたが、
次回は引き続き要素分解の応用と共に、
2つ目の「比較」に関してお伝えいたします。
後藤