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組織改革の第一歩

組織改革の第一歩

 

代表の伊藤です。

組織の老齢化に関する相談を受けることが多くなりました。

その中でも最も多い相談が、

「会社の改革をしたいが《今いる年寄り連中》が協力をしてくれない」

というものです。

 

稼業が企業に生まれ変わるタイミングで、

・理念経営

・環境整備

・人材採用

・評価マネジメント

・育成システムの構築

といった

「新しい人材を採用し定着させる取り組み」

をしなければならない時期があります。

企業は上記を整えてないと、

 

「優秀な人材の安定的な採用・育成は不可能」

 

ということに気づきます。

そこで、組織を強くする為に

「新しいことを取り組もう!」

と考えますが、

 

昔からいる55歳から65歳くらいの

幹部を含む高齢社員の「非協力的な姿勢」に経営者は

頭を悩ますわけです。

(※勿論全ての5060代が非協力的なわけではありませんし、

全ての20−30代が協力的なわけでもありません。)

高齢社員の非協力的な姿勢、というと例えば、

 

・朝礼に出ない

・採用に積極的にならない

・若手を育てない

・若手が育たないことを若手のせいにする

・幹部が評価することを放棄する

 

などなど。大手企業では考えられないような怠慢が中小では頻発します。

とはいえ、高齢社員を個人の能力で見ると《仕事はできる》だけに厄介です。

そこで経営者はこう考えます。

 

「新しい取り組み(採用や育成)は高齢者を外そうか・・・。」

 

しかし、そんな対策では結局はうまくいきません。

 

「この際、反対する年寄り連中は全員クビにするか?!」

 

いやいや、業務を実際に回しているのは彼らですし、

そもそも若手が忠誠心高いと思ったら大間違いです。

よーく見てください。高齢社員と比べ大して仕事もできません笑

 

では、組織に大きな改革(変化)が必要な時、

高齢社員をどう扱えばいいのでしょうか。

そもそも、なぜ彼らは上記のような組織改革に

なぜ協力しないのでしょうか。

 

忠誠心がない?

会社に興味がない?

 

いえいえ、

「やり方がわからない」

「やる理由がわからない」

だけです。

 

管理職が人材育成できない、

という会社に限って、経営者がそもそもマネジメントを

教えていないケースが散見されます。例えば、

 

給与制度・評価制度が全くない会社があったとします。

これからのことを考えると必ず必要になるため、

給与制度・評価制度の構築を経営者は判断します。

しかしながら下記のような問題が起きます。

 

評価をする3名の幹部は全員62歳。。

彼らは、現場主義であるため人材育成や評価に協力的でない。

経営者である自分が幹部を飛び越えて評価してもいいが

全員対応するのは実質不可能。

 

評価制度は必要だが、

運用が不可能・・・。

 

こんな感じで、幹部社員を巻き込めないことが原因で

新しい取り組みができなくなります。

実際に、このような状況で評価制度に取り組んでも

機能しないことが考えられます。

 

ではどうすれば良いか?

マネジメントの一つはこうです。

 

①まず経営方針の《最重要項目》に「教育における方針」を加えます。

・今後20年のために経営方針に「人材育成」を据える

・従業員の教育を第一とし、人材育成を最優先の業務とする

・人材育成を放棄する管理職は最優先業務の放棄とみなす

 

②幹部3名を呼び出し一人ひとり意図を伝えます。

全員の前で一斉に伝える、というのはよくありません。

(時間軸でいうと①より②が先です)

本当は経営者が幹部一人ひとり食事に誘うぐらいが好ましいです。

大事な話があるから食事に付き合えと。その上で、一人ひとり真剣に話します。

 

「これから会社の存続をかけて、人材育成に力を入れていきたい」

「そのためにはお前の力が必要だ」

「人材育成の一環として評価制度を取り組もうと思う」

「協力してくれないか」

 

と真摯に相談します。

私の経験上、しっかりと段階を踏めば協力的にやってくれるケースが殆どです。

 

③マネジメントの相談に乗ってあげます。

人材が育たないことを、人材の素質のせいにする方が多い現状があります。

確かに、人材の素質に問題があることは往々にしてあるのですが、

一般的にマネージャーのマインドとしては、

 

「人材が育たないのは、教育者の教育能力が低いから」

 

と考えるのが普通です。その考え方をしっかり教えてあげます。

口で一回言えばわかるわけではありません。

人材育成は経営の極意ですので、そう簡単にできるわけがないのです。

幹部とは何度も食事に行き、人材をどう育てていくかを議論します。

また、人材育成を学ぶ場も設定します。例えば外部研修に参加させたりです。

 

④評価制度を実際に走らせる

後は具体的なやり方です。

①ー③を経由すればノウハウやテクニックがしっかり染み込んでいきます。

具体的な作り込みや、運用の方法は外部コンサルなどのプロを

利用すればそんなに難易度は高くありません。

 

このような形で、ただ組織改革をするのではなく、

なぜ組織改革に踏み切らないといけないのかという点を

方針の設定でしっかりと共有を図り、一緒に解決していく姿勢が重要です。

 

しかし、この流れでも協力を示さない社員はいます。

その社員が幹部の場合はプレイヤーに降格させるのも一つです。

会社の方針に従わないのは、法律を守らないのと同じです。

①ー④をしっかり示した上で理解を示さない社員は管理職不適格ですから

勇気を持って判断した方が中期的に良くなること間違いありません。

 

組織の老齢化は、今まで経営者が若手の採用、若手の育成に

力を入れてこなかった「ツケ」のようなものです。

 

ツケをツケのままにしておくと組織は崩壊します。

非常に繊細な内容ですが少しでも早く解決していくことをお勧めします。

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