書籍から得られること
「書籍から得られること」
代表の伊藤です。
私は本が好きです。
ミーハーなので、歴史なら司馬遼太郎、サスペンスなら東野圭吾、
ドラマなら池井戸潤、ハードボイルドなら北方謙三、社会派なら山崎豊子、
というように外れない小説家から選ぶことがほとんどです。
ただ、人物で探すこともあります。
例えば気になる歴史人物がいればその人を出来るだけ面白く書いている書籍を
探して、その人物を知るのに何種類(何冊)か読みます。
不思議なもので、自分が買っている本を改めて見てみると
「自分はこんな人間に憧れているのかな」と後になって分かったりします。
例えば私であれば、斎藤道三、北条早雲、安田善次郎、田中角栄といった
「絵にかいたような成り上り」
がどうも好きなようで、
自宅に帰るとウンザリするほどこの類の本が並んでいます。
一方で自己啓発系の本はあまり読みません。
例えば、
・成功するための○○の法則
・伝えるための○○力
といったものです。
あまり読まない理由の一つに、著者の文章力があります。
小説家は文章のプロなので読んでいて心地が良いのですが
自己啓発本の著者は99%が文章の素人で(ライターを入れているとはいえ)
情景描写や人物像の表現、話の展開や比喩において
小説家とは雲泥の差があります。
この情景描写や人物像の表現、話の展開や比喩というのは
ビジネスにおいて非常に参考になります。
優秀なビジネスマンは本もたくさん読んでます。
本をたくさん読んでいるので、表現が豊かで、物事の例えも上手です。
逆に、本に手をつけない人間は自分の持つ知識や経験しか情報がありませんので
引き出しも少なく、表現も稚拙で、毎回同じ例え話になったります。
本を読むビジネスマンは、本を読んでいないビジネスマンと会話をすると
「本を読んでいない」ということ自体分かったりします。
本から学べることは表現方法だけではありません。
例えば、私の大好きな「国盗物語」(司馬遼太郎)の
主人公である斎藤道三は何度も名前が変わっています。
幼少時は僧侶で法蓮房、
そこから油商人になり松波床五郎、
さらに一念発起し武士になり、西村勘九郎正利、
最後は美濃一国を乗っ取ってしまい、斎藤利政、
この間にも何度も改名しておりその数、十を超えます。
この時代の改名は珍しいことではなかったものの
この数は異様ですね。
斎藤道三は、改名するごとに立場が変わり、
まるで上場企業でスピード出世していくかのように称号が変わって行きました。
最後は岐阜県の知事まで上り詰めたようなもので
そのマネジメントや人の懐柔方法は現代と全く変わらないようにも思えます。
また、道三の娘に帰蝶がおり、信長の妻となったことも有名ですね。
道三は自分の次の世代が無能なことを知り、同盟国である信長に
次期を頼み、自国をどう攻め滅ぼすか、そのタイミングと攻略を信長に伝えた
一説もあります。あえて義龍に自身を攻めさせ、本当に信頼する血の繋がらない
信長に美濃を攻めさせるというかなり脚色が入った解釈ではあるものの、
現代でいうM &Aや家督争いとそんなに変わることはありません。
自分自身が体験していないことであっても
こういった擬似体験を本から学ぶことによって
物事が広く深く見えるようになることは間違いありません。
私は、25歳まで殆ど本を読まなかったのですが、
その大事さを先輩から教えてもらい、それからというもの
興味がある分野に関して出来る限り本から情報を
得るようにしました。
「内容は何にせよ本はたくさん読め。
本を読んだからといって成功はしないが、
成功者はまず間違いなく多くの本から学んでいる。」
今は純粋に好きだから読んでいますが、
これからもまだまだ学ぶことはありそうです。