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住宅会社の建築原価削減ガイド

みなさまこんにちは、髙藤です。

今年はナフサショックもあり、建材の値上げの知らせが続いています。値上げが続くと、「もっと売上を増やさないと利益が残らない」と考えがちです。ですが、わたしは先に原価を見直すほうが近道だと考えています。受注棟数も販売価格も変えずに、利益を改善できるからです。

そこで今回は、品質を落とさずに建築原価を見直すための考え方と手順を、なるべく具体的にまとめてみました。「コストは下げたいが、品質は落としたくない」「業者との関係を壊さずに交渉したい」という社長の参考になれば幸いです。

なぜ今、建築原価の見直しが必要なのか

建築コストの上昇は一時的なものではなく、元の水準には戻りにくいからです。

2021年のウッドショック以降、木材だけでなく、鉄筋、生コン、断熱材、設備機器と、住宅に関わる資材の値上がりが続いています。2025年4月には省エネ基準への適合が義務化され、高性能な断熱材やサッシも欠かせなくなりました。

さらに2026年には、中東情勢の悪化をきっかけにナフサが不足する「ナフサショック」が起きました。ナフサは塗料や接着剤、樹脂製品の原料です。断熱材などの値上げが相次ぎ、ユニットバスの受注が一時止まる事態にもなりました。

売上を大きく伸ばすには、集客、人員、広告費と多方面の投資が要ります。一方で原価の見直しは、今の受注のままで利益に効きます。原価を数%改善するだけで、売上を大きく伸ばしたのと同じだけの利益が残ることもあります。

自社の原価が「適正」かどうか、どう判断するか

判断の基準は、自社の地域・規模・仕様に合った「適正価格」を知ることです。

多くの住宅会社では、業者から出てきた見積りを「一式」の総額でしか見ていません。総額だけで高い・安いを判断すると、どの項目に改善の余地があるのかが見えなくなります。

建築コストは全国一律ではありません。同じ仕様でも、地域の市場や年間の棟数によって適正な価格は変わります。まず自社の現在地を知ることが、原価見直しの出発点です。

交渉の根拠は「材工分離」でつくる

材料費と工賃(労務費)を分けて考える「材工分離」が、交渉の根拠になります。

総額のままでは、資材の値上がりを理由に工賃まで一緒に上がっていないかが分かりません。材料と工賃を分けて見れば、それぞれが適正かどうかを確かめられます。「なんとか安くして」というお願いではなく、根拠のある指値で話ができるようになります。

2025年12月に全面施行された改正建設業法では、材料費や労務費などの内訳を示した見積書の作成が、建設業者の努力義務になりました。一方で、通常必要な額を著しく下回る金額に変えさせることは禁じられています。指値は安くさせるための手段ではなく、適正な額で合意するための根拠です。

品質を落とさずに原価を見直す4つの手順

手順は、見える化、比較、交渉、定着の4つです。

手順1:今のコストを見える化する

1棟分の見積書や発注書を業種ごとに分け、材料費と工賃を整理します。あいまいだった項目を数字で見えるようにすることが、最初の一歩です。

手順2:地域・規模に合った適正価格と比べる

自社の価格を、同じ地域・同じ規模の適正価格と比べます。すべての業種を一律に下げるのではなく、改善の余地が大きい業種から取り組むのが効率的です。

手順3:根拠を示して業者と交渉する

適正価格の根拠を示したうえで、金額を指定して交渉します。大切なのは、無理な値下げではなく共存共栄の姿勢で臨むことです。互いに納得できる価格で合意できれば、長く付き合える関係が続きます。

手順4:社内で続けられる形にする

合意した内容を、担当者が替わっても同じ条件で発注できる形に整えます。そうすれば、毎年の値上げにも社内で主体的に対応できます。これが原価管理の最終的なゴールである「内製化」です。

自社だけで進めるのが難しいときは

外部の支援を使う方法もあります。株式会社ラスト・コンパスの建築コスト削減コンサル「Leverage(レバレッジ)」は、住宅会社・工務店に特化した原価削減のプロジェクトです。

建築コストは地域で差があるため、地域・規模・貴社の仕様に合った適正価格をお伝えし、根拠のある指値での交渉を支援します。業者との共存共栄と品質の維持を前提に、最終的には社内で原価管理を続けられる状態をめざします。

2026年10月時点で、導入企業は342社です。1棟あたりの平均削減額は54.0万円、1社あたりの年間平均削減額は1,723万円(平均31.9棟)です。

たとえば年30棟の会社なら、1棟50万円の削減で年1,500万円になります。実際に、年21〜50棟の会社の年間削減額の中央値も1,500万円です。

建築原価の見直しで、よくある疑問

業者との関係が悪くならないか

根拠のある適正価格を示した交渉なら、業者の理解も得やすくなります。発注のルールが明確になり、業者との関係が良くなったという加盟店の声もあります。

うちの地域や規模でもコストは下がるのか

建築コストは地域差が大きいため、地域・規模・仕様に合わせて適正価格を考えることが大切です。Leverageは年5棟前後の工務店から200棟以上のビルダーまで対応しています。

品質が落ちる心配はないか

原価の見直しの目的は、仕様を下げることではありません。同じ仕様を、より適正な価格で実現することです。

まずは自社の原価の「現在地」を知ることから

建築原価の見直しは、自社の地域・規模に合った適正価格を知ることから始まります。材料と工賃を分けて見て、根拠のある交渉をし、その流れを社内に定着させる。これが、毎年の値上げに負けない利益の守り方です。

実際の削減事例を知りたい方には、セミナー「【1時間で解説】2026年 原価削減 実践事例10選」もご用意しています。ぜひ、お気軽にご参加ください。

それではまた。

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