AIに、聞かれる会社になる

みなさまこんにちは、髙藤です。
前回は、AIに仕事を任せるときほど「判断を残す」ことが人間の仕事になる、という話を書きました。あれから約2か月、社内側の話はひとまず書き終えた感覚があります。今回は少し外に目を向けて、お客さまである施主の変化について書くことにしました。
最近、ChatGPTで工務店を調べて来た、という施主の話を、加盟店の方から耳にするようになりました。
まだ数の少ない話なので、統計として語れるものではありません。ただ、これまで検索で比較サイトを見比べていた施主が、ChatGPTに「〇〇市でいい工務店ある?」と聞いて、勧められた会社を見に行く。そういう動き方が増えているのではないか、という見立てを、わたしは持っています。
工務店は、AIにどう見つけてもらえばいいのか
答えは、ChatGPTが引用したくなる一次情報を、自社の言葉で書いて置いておくことだと思っています。理由は単純です。家づくりの一般論なら、AIはとっくに知っているからです。実績を確認する、担当者との相性を見る。そうした話は、もう誰でも聞ける答えになっています。AIが知らないのは、その会社にしかない現場の事実だけです。
たとえば、なぜこの断熱仕様を標準にしているのか、なぜその工法を選んでいるのか、といった理由です。その事実を言葉にして残しているかどうかで、AIからの見え方は大きく変わってくると思います。
工務店の現場には、その場でしか答えていない理由がたくさんあるはずです。完成見学会で聞かれて答えた話も、打ち合わせで施主に説明した内容も、多くはその場限りで終わっています。書いておけば一次情報になったはずの言葉が、日々消えてしまうのが非常に勿体ないことだと分かるはずです。
わたしの小さな実践
わたし自身も、自社のAI活用の幅を、社内の資料づくりから、外向けの発信にまで広げてみているところです。
たとえば、このブログです。これまでは下書きの相談相手として使っていましたが、今回は「ChatGPTに読まれたら、どこが拾われるか」という目で見出しを見直してもらいました。問いの見出しを一つ置いて、そのすぐ下で答えを先に伝える。以前は経験談から入って最後に結論を書くやり方だったので、わたしにとっても書き方を変えた回になります。
問いに正面から答えている文章のほうが、ChatGPTには拾われやすいとわたしは見ています。そうであれば、施主が聞きそうな問いを見出しにして、その答えを自社の言葉で書いておく。工務店のブログや自社サイトでも、同じことができるはずです。
聞かれる会社になる
こうして自社の言葉を置いておく状態を、わたしは「聞かれる会社」と呼びます。施主がChatGPTに聞いたとき、名前が挙がる会社のことです。
これは、現場に立てる看板と似ています。工事中の現場には、会社名を入れた看板を立てますよね。近所を歩く人がそれを見て、「あそこの現場、いつも片付いているな」等と覚えてくれます。そして家を建てる段になったとき、ふと名前を思い出してくれるのです。
看板そのものが仕事を取ってくるわけではありません。ですが、覚えてもらう入り口にはなります。ChatGPTに対しても、同じように名前を覚えてもらう入り口を、自分たちで用意しておく必要があるのだと思います。地道な話です。ただ、ここから始めるしかないと考えています。
「判断を残す」の続き
今回の話は、前回の「判断を残す」の延長線上にあります。自社にしかない現場の事実を、誰かに聞かれる前に言葉にして残しておく。それが、聞かれる会社になる第一歩です。そして営業のためだけでなく、社内で「なぜうちはこうしているのか」を引き継ぐための記録にもなります。ChatGPTに聞かれて答えられる会社は、社員に聞かれても答えられる会社のはずです。
お客さまの検索行動は、これからも変わり続けます。ですが、自社にしかない事実を持っている会社が強い、という土台の部分は変わりません。AIの進化は、ここでもやはり脅威ではなく追い風です。
先回りして、2つだけ
Q「AIに見つけてもらうために、まず何をすればいいですか?」
A「完成見学会や現場で施主から聞かれた質問と、その場で答えた理由を、ブログや自社サイトに書き残すことです。まずはそこからだと思います。」
Q「うちのような小さな工務店でも、意味がありますか?」
A「あると考えています。小さな会社ほど、社長や職人の頭の中にしかない理由が多く、まだ言葉になっていないからです。」
ラスト・コンパスでは、工務店経営のヒントをお届けするセミナーも開催しています。
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それではまた。