物理学から読み解く、理念経営の重要性

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
ラストコンパスの秋岡です。
最近になって、以前読んで挫折していた小説「三体」を読み直し始めました。
聞きなれない名前や物語の転換の多さに加え、文系の私には見慣れない専門用語が出てくるように感じ、なかなか読み進めることができなかった小説です。
改めて根気強く読むと、なかなか面白いのですが、本の内容とは別に、小説「三体」の要素でもある物理学に興味が湧いてきました。
AIで気軽に難しいテーマをつまみ食いで学べる昨今。にわかの私には非常に助かります。
物理学に関してAIとどんどん会話を進めていった時に、ある法則が出てきました。これを調べていくと経営に結びつくところがあると思いましたので、紹介したいと思います。
―――――――――――――――――――――――――――
会社の組織づくりや経営を行う中で、こんな感覚を覚えたことはないでしょうか。
「最初は同じ思いでスタートしたはずなのに、いつの間にか社員のベクトルがバラバラになってきた」
「ルールを決めたはずなのに、時間が経つと形骸化して現場が乱れていく」
「制度や仕組みを作ったのに、なぜか会社全体に停滞感が漂っている」
どれだけ良い組織を作ったつもりでも、放置しておくと少しずつ乱れ、組織に乱れが出てくる。そう感じたことのある経営者様や幹部の方はいらっしゃると思います。
実は、指導力不足でも、社員のやる気がないからでもありません。 物理学の世界にある法則が働いているからなのではと思わされます。
その法則が「エントロピー増大の法則」です。
◆自然界の法則「エントロピー増大の法則」とは?
物理学には「エントロピー増大の法則」というものがあります。
難しい言葉に聞こえますが、わかりやすく言うと「すべての物は放っておくと、乱雑でバラバラな状態(無秩序)に向かっていく」という法則です。
例えば、
・片付けたはずの部屋も、掃除をしなければどんどん散らかっていく
・新品の家も、手入れをしなけば少しずつ老朽化しガタが来る
・熱いコーヒーも、放置しておけば冷めて部屋の温度と同じになっていく
このように、「状態を維持するエネルギー」を外から注ぎ続けない限り、あらゆる物体や空間は、自然と秩序を失い、乱雑な状態(エントロピーが大きい状態)へと向かっていく。
これは物理学における摂理といえます。
◆会社組織も「エントロピー」が増大する
この法則は物質だけでなく「人間が集まる組織」にも同じように当てはまります。
会社という組織も、意図的にエネルギーを注ぎ続けない限り、次のような状態に向かっていきます。
・創業時の熱量が薄れ、日々の業務をこなすだけの「ぬるま湯組織」になる
・各部署や個人が自分の利益だけを優先し、セクショナリズム(縦割り)が生じる
・共通の価値観が薄れ、愚痴や不満、社内政治といった「無駄な歪み」が増える
「特に何も悪いことはしていないのに、なぜか会社が重苦しい雰囲気になっていく・・・」と感じる時、まさに社内のエントロピー(乱雑さ)が高まっている状態と言えます。
そのような状態を放置しておけば、崩壊に向かう。これは誰かの意図的な悪意ではなく、「自然の摂理」なのだと思うとむしろ安心できます。
◆エントロピーの増大に抗う力=「理念」
では、この自然の摂理に抗い、組織の秩序やエネルギーを保ち続けるにはどうすればよいのでしょうか。
物理学の世界では、増大するエントロピーを抑え込み、秩序を維持するためには「外部から新たなエネルギーを注入し続けること」が必要だとされています。
会社組織において、この外部から注ぎ込み続けるエネルギーこそが「理念」に他なりません。
1.「理念」は組織のベクトルを揃えるコンパスになる
社員が増え、事業が拡大すればするほど、個人の価値観や考え方は多様化し、バラバラになりやすくなります。
そこで「私たちは何のために存在するのか」「お客様にどんな価値を届けるのか」という理念を繰り返し発信し続けることで、バラバラになりかけた個人のベクトルを引き戻すことができます。理念は、混迷する現場において社員全員が同じ方向を向くためのコンパスの役割を果たします。
2.「言葉」ではなく「エネルギーの浸透」が必要
理念は、額縁に入れて壁に飾っておくだけでは効果を発揮しません。それではエネルギーが注入されていないのと同じだからです。
・朝礼や面談で、事あるごとに理念の背景や想いを語る
・日常の意思決定の場面で「その判断は理念に沿っているか?」を問いかける
・理念を体現している社員を適切に評価し、賞賛・承認する
上記のように、経営陣や幹部が自らの情熱と言葉を使って、日々の業務の中に理念というエネルギーを「注ぎ込み続ける」こと。この地道なコミュニケーションがあって初めて、エントロピー増大の波に抗い、組織の秩序と社風・文化を維持することができます。
3.理念経営とは「生命維持活動」である
生き物が生命を維持するために、毎日食事をして呼吸をし、体内の無秩序化を防いでいるように、会社組織にとっても理念を浸透させ続ける活動は「生命維持活動」そのものです。
「一度伝えたから分かっているはず」「理念なんて言わなくても仕事は回る」とエネルギーの注入を止めた瞬間から、組織のエントロピー増大、つまりは「崩壊へのカウントダウン」が始まります。
最後に
どんなに優秀な人材が集まる会社であっても、手入れを怠れば組織は必ず乱れていきます。
だからこそ、経営側・指導側は、
「今日、組織にどんなエネルギー(理念)を注げただろうか?」
「日々の業務の中で、大切にしたい価値観を言葉にして伝えられているだろうか?」
この問いを自分自身に投げかけ続ける必要があります。
エントロピー増大という自然の摂理に負けない熱いエネルギーを、今日も愚直に組織へ注ぎ込み、力強く成長し続ける会社を共に作っていければと思います。
もし、「自社ではまだ理念がない。」「理念が浸透していない。」と思われる方は、ぜひ弊社のWEB勉強会にお越しください。
実践者の声から学べる理念経営の在り方、やり方が詰まっています。
それでは。