結局、人事評価制度ってやる意味あるの?

こんにちは!
ラストコンパスの笹川です。
今回は、住宅会社が人事評価制度をやる意義に関して考察してみたいと思います。
結論から述べると、住宅会社における人事評価制度は、業績向上や人材定着に活用する事が実際に可能です。
評価制度を見直した企業では、「営業一人当たりの受注棟数が年間3棟→4.5棟(+50%)になった」や「離職率が18%→10%に減少した」といった改善事例が見られます。
しかし一方で、「制度は作ったが運用できなかった」という失敗も少なくありません。
なので、ひとまず住宅会社でよくある失敗事例を5つご紹介しながら人事評価制度の意義に関して考えてみたいと思います。
まず1つ目は、「評価基準が曖昧なまま運用してしまう」というケースです。
例えば、営業職で「提案力が高い」という評価項目だけを設定している場合、評価者ごとのバラつきが大きくなったり本人が目指す水準が不明確になったりします。
とある会社では、同じ社員に対して評価が「S評価(とても良い)」と「B評価(普通)」という風に分かれる事がありました。
これを防ぐためには、例えば「初回接客でヒアリング事項を10項目以上取得」「次回提案までのリードタイムが平均10日以内」「顧客アンケートが90点以上」「契約率20%以上」等のように定量化することが重要です。
2つ目は、「成果に偏重しすぎる」ことです。
契約棟数のみで評価する場合、例えば年間受注5棟の営業担当と4棟の営業担当で評価が分かれます。
しかし、4棟の担当が「利益率が高い」「見込み客のストックが多い」「契約金額が大きい」等の要素を持っている場合、会社貢献度は非常に高いと言えます。
これらは公正な評価を想定する場合は組み込む事が多く、いわゆる定性評価やプロセス評価と呼ばれます。棟数だけでなく、その成果の質や過程まで評価する事で公正さを担保することが可能となります。
ちなみに、これはあくまで一般論ですので、各企業様の意向によって評価設計は変わることは先にお伝えさせて頂きます。
3つ目は、「職種ごとの差が反映されていない」という点です。
例えば、設計職に営業と同じ売上目標を設定している企業では、評価の納得度が低下します。
とある会社では、設計職側に対してアンケートを実施したところ、「人事評価に納得している」が半数程度しかありませんでした。
これを改善するために、「スキルアップ項目」「プラン契約率」「追加工事提案数」等の指標に変更した結果、納得度が向上しました。
4つ目は、「評価者の経験不足」です。
例えば、人事評価面談が形骸化し、1回あたり数分程度で終わっている企業は意外と多いと思います。
本来は30分程度時間を使っての面談を半年ごとに実施し、「良かった行動」「改善点」「キャリアプラン」「その他、不満や不安」「評価の達成度合い」を具体的に伝えることが望ましいかと考えます。
また、会社基準でなく、自分基準で部下の評価を行うと、部署ごとに甘辛査定が生じてしまい、部下の不満を生じさせる可能性もはらんでいます。
最後に5つ目は、「制度を作って終わりにしてしまう」ことです。
例えば、人事評価のフローが重すぎたり、複雑になっていたりすると管理者側の意欲が損なわれて人事評価が頓挫する事があります。
また、目標設定が適正でなかったり、社員が評価して欲しい項目が含まれていなかったりすると、運用途中に評価に対する意識が薄れてお飾りの制度になってしまいかねません。
この状況を避けるためには、社員とのコミュニケーションをしっかりとり、また普段の仕事ぶりをしっかりと管理者は見ておく必要があるかと存じます。
人事評価制度は「作ること」ではなく、「つくった上で、社員の行動を変え、会社の業績を上げること」を目標としますので、
住宅会社においては、評価項目の具体化や職種別に実態に合った設計、評価者教育、年1回の見直し等を押さえることで、運用可能性の高い制度になっていくと考えています。
それでは、失礼いたします。
笹川