コスト削減を制するものは建築業界を制す
コスト削減を制するものは建築業界を制す
代表の伊藤です。
先日九州のあるビルダー(E社)の研修に伺いました。
(伊藤は後ろで見ていただけですが)
E社は1棟平均4000万を超える住宅を手掛け、
工務店代表として長年高性能住宅の研究と実績づくりに貢献してきており、
その姿勢は国からも認められています。
また、先進的な家づくりだけでなく、
YouTubeの登録者は10万、Instagramは37万人という
日本屈指の発信力を持つ稀有な住宅会社でもあります。
そんなE社社長から当社のコスト削減コンサルタントに
2025年年末ごろ下記のような依頼がありました。その内容は、
「生き残りを掛けて原価管理を行うため、
社員に対しコストマネジメントの教育をして欲しい」
というものです。
E社は言葉通り、
現在すでに生き残りを掛けて原価管理を行っています。
例えば、
・1円以上の値上げは社長決裁
・業者がネガティブな対応をしてくる場合、経営者がコスト交渉の前線に出る
・1年のコスト交渉に関する当社への相談回数は40回以上
この3点だけ見てもE社が
「背水の陣で原価管理に臨んでいる」ことが分かります。
しかし、原価管理は奥が深い。
経営者が前のめりであることは凄く大事なことですが、
スタッフ一人一人が工夫、改善をしなければ
「コストの極みの世界」にはたどり着けません。
それを知っているE社社長は
現場スタッフ15名ほどを集められ、
コスト削減の勉強会を実施する判断をしたわけです。
当社コスト削減コンサルタントより以下のことを
3時間ほどの研修を通してお伝えしました。
・コスト削減が及ぼす会社への貢献利益について
・コスト削減が及ぼす取引業者への利益と社員への利益について
・コスト削減に効果的な3つの取組み
・クロス屋が150円の値上げ要請をしてきた。あなたならどう交渉する?
(ワーク)
・現場の人工を5人工削減するための方法を考えよ
(ワーク)
・実際のコスト削減実例
参加者は真面目に話を聞いておられ、
確実にコスト意識が高くなったと思われます。
話しは少し変わりますが、
私たちがコスト削減コンサルティングに参入する以前より、この業界には
「コスト交渉を代行するコンサルティング会社」が一定数存在していました。
私たちのご提案先でも、交渉は代行してもらう方が楽だ、、、という声が聞えることもあります。
しかし、コスト交渉の代行は
私たちの理念とは考えが少し異なります。
私たちはあくまで
「コスト交渉は自社ですべき。コスト交渉能力は内省化しなければならない」
という信念があります。
それはなぜか?
例えば、E社は直近1年で10社以上から15回以上の値上げ交渉を受けてこられました。
現在なお3社のメーカーとコスト交渉中です。
たった1年でこの回数です。
今は過去類を見ない、コスト大激動時代。
毎月のように様々な業種から値上げ要請があり、
その都度高いレベルでコスト交渉する必要がある。
やり方を間違えれば
「値が上がる」か「業者が離れるか」
の2つに一つです。
針の穴を通すような
コスト削減技術が必要なわけです。
では、値上げ要請のたびにコスト交渉を代行させるのでしょうか。
ちょっと無理ありますよね。
そうするとどうなるかというと
下げやすい項目だけざっくり下げて、
「都度ある値上げ交渉は現場で治めよう」
という話になります。
これでは精密なコスト交渉はできません。
(大体よしのどんぶり交渉ですね!)
さらに言えば、
単価の取決めはコスト交渉のステップ1でしかありません。
問題はそのあと。その先です。
例えば電気工事。
初回の交渉でルールを整備し
50万から40万に落ちたとしましょう。
これはこれで成功です。
しかし、本物の差別化は
この先にあります。
どうすれば40万が、38万になるか?37万になるか?です。
業者を泣かせるわけにはいかない。
(というか今の業者は泣きません。離れるだけです。)
では次の段階とはなにか?というとそれは「人工の削減案の共有」になります。
10人工掛かっていたものを現場の工夫で
8人区で出来るように提案するわけですね。(現場監督が電気屋に提案する)
そうすれば2万下げても実質業者は得します。
当然、8人区から7.5人区になる案も考え続けます。
次は電材屋から直接仕入れを考えます。
年間まとめて購入するわけですね。
これで業者は泣かずに(1棟当たりの利益は変わらずに)
更に1万コストを下げられるわけです。
最終段階は工場で配線込の状態で現場に直送する形(ユニット配線)でしょうね。
この方法は電気工事が安くなるという部分的なメリットではなく
施工効率、品質担保(切断、接続、結線ミスが無い、検査済みの商品が発送される)
を優先した手法です。完全着工でないと実現できない為、設計ICを含めた現場の教育も必須となります。
言ってしまえばトヨタのカイゼン同様、
建築のコスト削減には終わりは無いということです。
メーカー、商社、施工、管理、標準仕様、設計ルール、収まりの基準、
様々な要所一つ一つの無駄を削る作業は
現場の知恵無くして成立しません。
そしてその現場の知恵というものは
「一人一人のコストへの意識」
が高くないと生まれないわけですね。
コンサルタントによる代行交渉では「コスト交渉は人任せ」なんですから
スタッフの意識が高くなるわけがない。。。
車でナビをつかうと道を覚えられないのと一緒ですね!
(ちょっとずれてる)
逆に言えば、そうやってたどり着いた
コストの極みの世界は他社には真似しようがない。
社員も原価管理に自信がつきますのでその思いは
顧客にも伝わるでしょう。
こんな時代だからこそ、
原価管理に取り組む姿勢そのものが
差別化になるということですね。
当社も320社以上のコスト交渉のお手伝いをしてきました。
今こそ業界一高いレベルのコスト交渉を!をスローガンに
加盟店の皆様に、少しでも利益貢献していきたい所存です。
また近いうちに
コストラボ(原価削減研究会)を開きます。
最新のコスト事情を公開しますので
是非ご参加ください!