『経営の原理原則を学ぶ』

いつもお世話になっております。
ラストコンパスの黒田でございます。
弊社では、POTENTIAL(ポテンシャル)という人材改革プロジェクトをご提供しておりますが、
提携先としてALLAGI(アレジ)株式会社様にご協力いただいております。
アレジさんは売上160億、年平均成長率130%越えと、
住宅業界の中でも特に注目されている企業です。
そしてその急成長の背景には、アレジの谷上社長が大切にされている「理念経営」があります。
現在、住宅業界は円安による原価高騰、少子高齢化による着工減、人口減少による人手不足など、
様々な逆風によって縮小が続いています。
こうした中で中小工務店が生き残っていくためには、
営業手法やマーケティング、仕組みづくりももちろん大切ですが、
それ以前に「どんな考え方を持った人材が、どんな判断基準で行動しているのか」が
最終的な成果を大きく左右していると感じる場面も少なくありません。
そんな中で、今回ご紹介したいのは
稲盛和夫さんの著書「生き方」です。
私がこの本を手に取ったのもアレジさんの経営哲学を学びたいと考えたからですが、
ポテンシャルの事業責任者からも「今の谷上社長は理念の権化みたいになっている」と聞いており、
アレジさんの成長に理念が密接に関わっていることは間違いないと思います。
ただ正直に言うと、
最初は「理念なんかで会社をそんなに変えられるわけがない」とも思っていました。
もし理念で業績が変わるなら、業績不振に陥っている企業なんていないだろうと高を括ってたのです。
しかし読み終わった後、
「理念経営」の難しさと実現できたときの推進力は凄まじいのではないかと感じています。
本書の中で一貫として語られていることは
「揺るがない行動指針を持つこと」の重要性です。
稲盛先生の行動指針は、
「人間として正しいことを追求する」という極めてシンプルなものですが、
嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない、自分のことばかりを考えてはならない、
誰もが子供のころ、親や先生から教わった当たり前のことを経営の指針に据え、守るべき判断基準としています。
それは稲盛先生が経営を始められた時に、経営について知識がなかったことも一因かもしれませんが、
「モラルや道徳に反することをして上手くいくことなどない」という確信があったからだと語られています。
おそらく、アレジの谷上社長の行動指針が
必ずしも稲盛先生と全く同じであるとは考えていません。
しかし揺るぐことのない行動指針を確立し、
その指針に沿って経営をされているという点においては、共通していると思います。
アレジさんの経営計画発表会には毎年弊社の人間も参加させて頂いておりますが、
その際に谷上社長は「大丈夫!絶対に上手くいく!」という言葉を300人以上いる社員の前で強く伝えていたと聞いています。
これは稲盛先生の「すみずみまでイメージできれば実現する」というお考えと同じだと思います。
稲盛先生がDDI(現・KDDI)を創業するとき、携帯電話という無限な可能性を秘めた商品が
どれくらいのスピードで、どう普及していくのか、またどのくらいの値段や大きさでマーケットに流通するのか、
そのイメージを携帯電話が世界に普及する前から当時の営業部長に語っていたといいます。
その時のことを営業部長がメモに残しており、
現在の料金体系とほとんど変わらなかったことから「神がかりとしか思えない」と語られています。
しかし稲盛先生からすると、これほど明確に見えていることは必ず実現すると言います。
アレジの谷上社長にも、今後のアレジがどうなっていくのか、どのように売上が伸び、どのような事業が増えていくのか、
そうしたことが見えているからこそ「絶対に上手くいく」ということを断言されているのだと思います。
今回は「生き方」という本をご紹介させて頂きながら、
稲盛先生と谷上社長の共通点について触れてみました。
本書はテクニック本でも成功ノウハウ集でもありません。
しかし、経営を根本から変える「軸」を考えるきっかけになる一冊だと思います。
もし今、今後の経営の行く先について迷われているのであれば、
是非、一度手に取っていただけますと幸いです。
私自身、これからもこの本を何度も読み返しながら、
仕事と人生に向き合っていきたいと思います。
今後とも宜しくお願い致します。