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土壇場での笑顔

全国大会準々決勝。

1点リードで迎えた9回裏。

 

出る幕は無いなと思っていた私に告げられたのは、

9回祐介頼むよ。」

 仲の良いキャプテンからだった。

 

40大会目の全国大会にして、

チーム初のベスト4以上がかかる試合。

「え。なんで俺なん。」

 

野球の時は常にマイナスな事を考えてしまうクセがあった。

そんな表情を見かねてか、周りはニヤニヤしながら盛り上げてくる。

顔面が透き通るくらい白かった私は、相手をする余裕もなく、 ピントが合っていない目線でグラウンドを見つめる。

 

マウンドに上がると、11月にも関わらず手のひらに汗が湧き出てくる。

 

相手は1番からの好打順。 ツーベースヒット、四球、ライト前ヒット あっという間にノーアウト満塁だ。

この前のお盆休みくらいあっという間だった。

 

次のバッターは4番キャプテン。 同じ高校の後輩だったキャッチャーが、 タイムをかけて歩み寄ってくる。

 

「鈴木さん〜なんしてんすか〜。」

 

 

ここで大抵の人は3つの選択肢に分かれる考え方をすると思う。

なんとしてでも抑えきって勝ちたい!

緊張するし、怖くて投げれないけど、なんとか凌いで踏ん張りたい。

なんていい訳をして、どう謝ろうかな。

 

 

 

 

 

私は違った。

 

 

 

 

 

眠すぎる。。。

 

全国大会が福岡で行われ、田舎民の私達は華やかな博多の街に魅力され、 試合前日にも関わらず深夜4時まで飲み歩いていたのだ。

 

チーム初のベスト4がかかる試合の、この場面。 ここでこの感情が出てくる人間はそう多くは無いだろう。 いや、いないと言ってもいいだろう。 この「土壇場での笑顔」に私は非常に自信を持っている。

 

 

マウンドに皆が集まって来て、 私は笑顔で「かぁ〜〜笑」とカラスが乗り移ったのではと思われるような声を出し、 クマのある顔でわざとらしく悲しそうな表情をつくる。

 

そんなふざけた事をしているピッチャーから放たれた第一球・・・

 

 

話の流れから察するに、結果を予想できた方もいると思うが、 一フライ、遊ゴロ、左飛でゲームセット。 この時少しでも抑えてやろうと気合いを込めると、 球に力みが生まれ、たやすく打たれていただろうと推測する。 結果的にこの登板が、わたしの人生に多少の彩りを加えてくれたことは言うまでもない

 

 

 

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前置きが非常に長くなりましたが、 この話で私がお伝えしたいのは、いかに「ピンチをチャンス」と捉えられるかという、 土壇場からの底力ということです。

 

今回はスポーツに例えてお伝えをしましたが、これは仕事やプライベートにとっても 非常に大切な考え方だと個人的には考えています。 仕事においては、常にピンチの連続だと思います。 個人のノルマが達成していない。納期に間に合いそうにない。お客様からのクレームが入った等。

しかし、私はピンチのときこそ、個人の力量が試される瞬間だと思っているので、 そういった厳しい状況に直面した時こそ、 楽しむ精神で物事を捉えていきたいと思っていますし、 楽しめない環境にいては自分の強みが壊れていくと感じます。

 

弊社に置き換えても、直近でのピンチに対して、 「楽しむ」という所は私自身達成出来ていたのではないかと感じております。

 

 

前置きの中の「眠たい」と「楽しい」は別じゃねーか!とお思いの方もおられると思います。 私はあのとてつもない状況下で、一番にあの心情になっている自分に対して、 「自分めちゃくちゃ楽しい考えしてるやん。」 というある種の愉しさだったのでは無いのかと、今振り返ってみて感じている次第であります。

 

 

これからは今までに経験したことのないようなピンチを迎えることもあるかもしれません。

わたしの大好きな大谷翔平が、WBCメキシコ戦での3点ビハインドの展開で、 放った一言が、わたしの言いたいことを集約してくれています。

 

 

こんな簡単に世界一になったら面白くないよね。

 

 

これです。

 

 

これなんです。

 

 

もちろん世界一になんてなるつもりはありませんし、日本一、業界一になるつもりもありません。 目の前にある困難な事象にオリジナル性(WBCで例えると不振のバッターが逆転サヨナラというドラマ的展開) を加えて紐解いていくことに、面白さを感じていきたいということです。

 

世界最高の選手の台詞の後に、もう私が言うことはなにもありませんので、 これにて結びとさせていただきます。

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

9期に向けて、良いスタートダッシュを切れるように頑張っていきたいと思います。

 

それでは。

 

 

鈴木

 
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