偉人から「プロの仕事観」を学ぶ
偉人から「プロの仕事観」を学ぶ
代表の伊藤です。
7月27日、イチロー元メジャーリーグ選手が、
日本人選手として初めてアメリカ野球殿堂入りを果たしました。
メジャーの殿堂入り基準は、
・メジャーにて10年以上プレーしていること
・引退から5年経っていること
・全米野球記者協会(約400名)の投票で75%以上の得票率を得る
というのもの。
得票率の難易度は野茂英雄、
松井秀喜が1%しか得られなかったという過去がある中で、
イチローさんは驚異の99.7%という数字でした。
上原浩治のYouTube雑談魂にて「今までで一番勝負したくなかったバーターはだれか?」という質問に対し
ゲストである各元野球界投手陣(工藤公康、松坂大輔、藤川球児、黒木知宏)は皆イチローさんをその一人に入れており、
そのコメントがまたイチローさんの凄さを物語ります。
・彼がバッターボックスに立つと、9つに分かれるストライクゾーンが2つしかなくなる
・ストライクゾーンにバットの残像が見えてどこに投げていいか分からなくなる
・普通の人はストライクゾーンは9つだが、彼はそのひと枠大きいボールゾーンでもヒットする能力がある。頭で考えても無駄だから力いっぱい投げるしかない。
・69打席勝負をしたが未だにこれといった攻略法が無い
・感覚的には5割以上打たれている
などなど。
SMBC日興証券の「教えて!イチロー先生!」で
様々な悩みに対し即答されるイチロー節の回答には、
一つ一つ彼の哲学が盛り込まれていてすべてに学ぶことがあります。
例えば、ある小学生が
「自分は寿司が大好き!だから将来すし職人になりたいと思います。
好きなことを仕事にするのはどう思いますか?」
と質問しました。
イチローさんはしばらく考えるとこのように答えました。
「野球を好きで続けているという感覚は無い」
質問した小学生は固まってました。
イチローさんの見解はこうです。
最初は勿論野球が好きだった。
練習すればドンドン上手くなるし、頑張った分だけ成果がついてくる。
なんでもそうだがはじめは頑張ったら成果がついてきやすい。
でも、そのうち上手くなってくると頑張っても成果が出なくなる。
プロとアマの違いは責任。プロは成果を出さないといけないから、責任と向き合う必要がある。
責任がある以上「野球が好きだから続けている」という感覚はプロになった後はゼロ、全くのゼロだった。
生まれ変わったときまたプロ野球選手になりたいか、、、といわれたら
「またやりたい」とは即答できない。プロとはそういうもの。
そういう世界がプロの世界だということを理解してすし職人を目指してほしい。
とのこと。
また、別の番組では
「私は自己肯定感が無く、仕事に対しネガティブでいつも悩んでしまいます。
イチローさんはどうやって自己を肯定していますか?」
という質問でした。
この質問に対してもしばらく悩みこう答えました。
「自己肯定って気持ち悪くないですか?それ必要かな…」
質問者は女優の堀田茜さんでしたが、
これまた小学生同様固まってます。
イチローさんは言います。
自己肯定感が強い人って、人としての厚みってあるんですかね?
今の時代、人を正したり怒ってくれる人がいない。
そうなると自己肯定感が強い人って周りから正されないから、
気分はいいかもしれないけど、自分が偉いと勘違いしている人になっちゃう。
そうなると人としては最悪。
自己肯定感は無くても「悩み続けるというのは決して悪い状態ではない」
自分を成長させようとしているから悩むわけだから。
例えばヒットを打った時、自己肯定するのではない、そんな考え・感覚は全くない。
それより「手ごたえを得た喜び」これはある。手ごたえがあれば次が楽しみ。
自己肯定とは違う、必要ないんじゃないかなそれ…
という回答。
毎回思うんですが、なんでこんなに説得力のある言葉が出てくるんですかね。
自分の哲学、考えを持っている方は本当に魅力があります。
同じ物事でも、どう考えられるか
というのは人生において大事なことだと思います。
そしてそれは自分だけでなく、
人に伝えられるともっと意味のある人生になるのではないでしょうか。
自ら学ぶ姿勢、謙虚であること、そして何より大事なのは
イチローさんのように、毎シーズン、毎試合、毎打席、今この瞬間を一生懸命真剣に
取組むことだと改めてそう思う今日この頃でした。