自己評価の問題点

みなさん、こんにちは。
ラストコンパスの笹川です。
今回は、人事評価制度における「自己評価」の是非について考えてみたいと思います。
みなさんは自己評価に関して賛成派でしょうか?
一般的に、自己評価というと、
- 自分で目標設定して、成果を自分で評価する
- 上司が目標設定して、成果を自分で評価する
という2パターンあります。
最近、とある住宅会社様からうけた相談で、「上司が舐められているため、その人物が評価すると誰も納得しない。だから、自己評価一本で査定したい」というものがありました。
この1文から様々な状況を推測する事が出来ます。
・上司の実績が伴っていない
・部下の好き嫌いが激しく、それが部下全体に伝わってしまっている
・上司が人に任せきりで仕事しない
・上司の権限が弱い
・上司による部下の査定に対して会社(社長)が十分に確認できていない
・何でも言ったもん勝ちの雰囲気がある
・上司が部下に忖度している
これだけ見ても社内改善余地が大いにありそうです。
話がそれました。
この会社様が自己評価のみで運用していくにあたり、注意点をお伝えさせていただきました。①のパターンの方です。
まず一番気を付けるべき事は、目標が高すぎ低すぎないかということです。5個個人目標を掲げた時に、1か月経過した時に4個既に終わっているような状況だと目標は低すぎる。でも、目標を達成したために評価はよくなる。そしてその評価は昇給に紐づいているとなると誰も高い目標を立てなくなります。
なので、上司か社長が必ず目標チェックを行って場合によっては目標の引き上げもした方が良いと思います。
次に怖いのは評価基準があいまいになる事です。例えば、「日報を毎日提出する」という評価項目を掲げた時に、半年間を振り返り、3回提出漏れがあった場合にはどのような評価になるのでしょうか。
もし評価結果を5段階にしていて、A/B/C/D/Eの順に評価が悪くなるとしたら、B評価くらいでしょうか。
この場合のおすすめは、目標設定段階で評価基準まで明確に決める事です。例えば、100%提出だとA評価、95%以上提出だとB評価、90%以上だとC評価みたいなイメージです。
3つ目の懸念としては、人の性格が評価結果に影響しやすい事です。
傾向値として営業部の方は自信家が多いので自己評価が過大になりやすく、事務系職種の方は控えめな方が多いので自己評価が過少になりやすいです。
この評価の甘辛もやはり上司が入って是正すべきだと思います。
スポーツでも何でも未熟者が自分一人で努力・振り返りした所で適正な成長は望めないと思いますのでコーチや監督がいて初めてきちんとした目標設定と評価ができると思います。
また教育面を考えてもやはり自己評価だけだと弱い気がしてます。
会社が考える「こういう成果を出してほしい」「こういう人物になってほしい」というメッセージが、自己評価にすると入っていきづらくなります。
本人的にA評価だと思っていても会社側からするとまだまだでC評価というギャップが見えて初めて教育に活かすことが可能となります。
ただ自己評価にも、上司の手間が省けたり社員の主体性にも期待出来たりとプラスもありますから、メリットデメリットを理解した上で運用してもらえたらと思います。
それでは、失礼します。
笹川