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成功を過信しすぎない

こんにちは。

ラストコンパスの山本です。

日々の業務や意思決定の中で、私たちは知らず知らずのうちに「生存者バイアス」という認知の偏りに陥ることがあります。

私も気づいたら過去の成功体験に固執してしまっているなと感じるときがあります。

今回は、この生存者バイアスが組織や個人にどのような影響を及ぼすのか、

そしてそれを回避するための方法について考えてみたいと思います。

 

生存者バイアスとは

生存者バイアスとは、成功した事例や現在存在しているデータのみに注目し、

失敗や脱落したケースを考慮しないことで、誤った結論を導いてしまう認知バイアスの一種です。​

ご存知の方もおられるとは思いますが、有名な例として、第二次世界大戦中の航空機の話があります。

エンジニアたちは、戦闘から帰還した飛行機の被弾箇所を調べ、どこに装甲を強化すべきかを検討しました。

帰還した飛行機は主に胴体や翼に弾痕があり、エンジン部分にはあまり損傷がありませんでした。

一見すると、胴体や翼を強化すべきだと考えがちですが、

実際にはエンジンに被弾した飛行機は帰還できず、データに含まれていなかったのです。

つまり、強化すべきはエンジン部分であると判断されました。

 

組織における生存者バイアスの影響

組織内でも、生存者バイアスはさまざまな形で現れます。

いくつかの例ですが下記のようなものがあります。

 ・多様性の欠如

  特定の成功パターンに固執することで、新しいアイデアや異なる視点を取り入れる機会が減少し、

  組織の柔軟性や革新性が損なわれることがあります。

 ・成功事例の過大評価

  成功したプロジェクトや社員の特徴ばかりを分析し、失敗したケースや退職した社員の意見を見過ごすことがあります。

  これにより、偏った評価や判断が行われる可能性があります。

 ・リスク管理の不備

  失敗事例を無視することで、潜在的なリスクや問題点を見逃し、同じ過ちを繰り返すリスクが高まります。

 

生存者バイアスを回避するための方法

では、生存バイアスを回避するためにはどうすれば良いのか?

生存者バイアスを避け、組織の健全な成長を促すためには、以下の取り組みが有効です。

 

 ・多様な視点の尊重

  異なる背景や経験を持つ人材の多様な意見を取り入れることで、偏った判断を防ぐ。

 ・オープンなコミュニケーションの促進

  上下関係や部署間の壁を越えて意見交換ができる環境を整えることで、組織全体の視野を広げる。

 ・失敗からの学びの共有

  失敗事例を組織全体で共有し、そこから得られた教訓を次に活かす文化を醸成する。

 ・客観的なデータ分析の活用

  成功事例だけでなく、失敗事例も含めたデータを収集・分析し、バランスの取れた意思決定を行う。

 ・継続的な学習と自己啓発の推奨

  社員一人ひとりが自己成長を追求し、新しい知識やスキルを習得する機会を提供する。

生存者バイアスは、どうしても意思決定や組織の運営において見落とされがちな罠です。

成功事例だけに注目するのではなく、失敗や脱落したケースからも学ぶ姿勢を持つことで、

より健全で柔軟な組織を築くことができます。

皆さんも、日々の業務や意思決定の中で、このバイアスに注意を払い、

多角的な視点を持つことを心掛けてみてはいかがでしょうか。

ここまでお読み下さりありがとうございました。

 

山本

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