コスト交渉における‟共存共栄”
いつもお世話になっております。
ラストコンパスの黒田です。
ここ1年くらい、断熱材の価格が上がっているというお声をよくお聞きします。
たしかに色々なメーカーが値上げしているのは事実ですが、値下げしているメーカーもいらっしゃいます。
業界としては値上げ基調がありますので、どれも値上げしていると思われるかもしれませんが、
メーカーによっては値下げしているという情報を持つことで、他社よりもコスト削減をしていくことができるかもしれません。
今回のテーマは「コスト交渉における‟共存共栄”」になります。
弊社では、コストダウン戦略であるLeverageというサービスを提供していますが、
その中で「業者さんと共存共栄していきましょう」とお伝えしています。
では、業者さんとの共存共栄とはどのようなものになるでしょうか?
今回はとあるエピソードをもとに共存共栄のコスト交渉をお伝えいたします。
福井県で年間10棟ほど受注する会社様と3年前からお付き合いさせて頂いているのですが、
その会社様は当時、クロス工事を相場価格より高くお取り引きされていました。
そこで、弊社ではクロス工事の相場とその根拠、そして交渉の方法をお伝えさせて頂いたのですが、
ふたを開けてみると、業者さんがメーカーからクロスを仕入れる価格が非常に高かったことが判明いたしました。
そこでその会社様は、業者さんに弊社がお伝えした情報をそのままお伝えし、業者がメーカーに交渉をすることで、
業者は仕入れの価格を抑えることができ、会社様自体もクロス工事の価格を落とすことに成功されました。
これが最高の共存共栄のコスト交渉と言えるでしょう。
しかしその会社様はそこで終わるのではなく、そういった活動を今後もずっと継続されています。
例えば、クロスが上がったと聞けば、クロス業者さんに行き、どれくらい上がったのか、そしてどのように交渉するのかについてお伝えする。
もしくは、新しく○○という会社の仕事を請け負うと聞けば、その会社の良いところや気を付けるところなどをお伝えする。
このように、業者さんと単に仲良くするだけでなく、業者さんにとってプラスになるような情報をお伝えすることで関係構築をしています。
こうすることで、最近はあまり業者さんから値上げ交渉をされていないみたいです。
なぜなら、その会社様は業者さんに利益も考えた適正価格で取引し、
業者さんが仕事をしやすいように現場の段取りや情報提供をしているので、
業者さんからすれば、その会社からではなく、他でお付き合いしている会社から利益を取ろうとしているみたいです。
誤解して頂きたくないのは、業者さんを叩いているや他でお付き合いしている会社から利益を取るように誘導しているわけではありません。
今の住宅業界は、業者さんも仕事を探すのを苦労されているくらい縮小傾向にあり、
一国一城の主である業者さんも社員さんのために利益を取ることに苦心されています。
そんな中でお互いが利益を取り合うように苛烈な交渉をするのではなく、
よりよい関係を築いていくことで共存共栄していこうという考えを大切にしているのです。
100棟以上受注するようなトップビルダーであれば、1円単位で交渉するようなシビアなコスト交渉が必要かもしれません。
もちろんそういった交渉に必要な情報をお伝えすることもできます。
ただ、地域密着の小規模工務店様であれば、地域の業者さんとの関係を大切にして仕事をしていきたいとおっしゃられることも多いです。
そのため、その際にこの会社様のような「業者さんとの関係構築」の方法をお伝えしています。
もしご興味がございましたら、WEBセミナーにて詳しくお伝えしております。
是非、ご参加ください。
それでは今後ともよろしくお願いいたします。
ラストコンパス 黒田