ニッチな市場を開拓する
いつもお世話になっております。
ラストコンパスの黒田でございます。
東京商工リサーチが6月10日に発表した5月の企業倒産は、前年同月比42.9%増の1,009件であり、
内193件(同46.2%増)は建設業で、17ヵ月連続で前年同月を上回り、2015年以降最多を更新いたしました。
新築市場が縮小傾向にあり、原価高騰、労務費高騰など非常に暗いニュースしか見ることはないかと思われます。
そこで今回は、地場の工務店や住宅会社が新築市場で安定的に受注を獲得するための方法の1つをご紹介いたします。
現在の新築市場を鑑みると、物価上昇しても収入が増えない時代であり、借金をしてまで家を建てる人は減ってしまいました。
しかしその一方で、高収入な顧客に対してはハウスメーカーやビルダーなどが群がり大混戦となっております。
今までであれば、富裕層は建築家で、準富裕層はハウスメーカーで、一般層は中小工務店で、
準低所得層はローコストビルダーで家を建てることが多かったと思います。
しかし、一般層と準低所得層が激減したため、中小工務店やローコストビルダーは窮地へと追いやらやられています。
そこで押し返すためには「ニッチな市場」を独占する必要があります。
では、ニッチな市場とは何なのか?
それは、ハウスメーカーなど大手が無視している市場のことです。
大手はある程度の大きさの規模がある市場にしか参入しません。
さらにその市場の動向が不透明で、ニーズが特殊であれば参入もしづらくなります。
そんな市場を独占することができれば大手にシェアを脅かされることなく安定受注できるのではないでしょうか。
では、具体的にどんなニッチ市場を開拓するのかですが、
一般的に工務店が行っているニッチ化では足りません。
例えば、
平屋・高性能・自然素材・大工・デザイン住宅などは、切り口が各社共通のためニッチとは言えません。
本物のニッチとは、大手が模倣できない商品力、営業力を持つということです。
例えば、昨今であれば「節約」や「ミニマリズム」に関する書籍などが増えてきたかと思います。
今の若者は非常に合理的で、無駄なものにはお金を使いたくない、
無駄なお金の使い方をしたくないというミニマリズムの考え方が一定数あるのではないかと思われます。
では、その志向に合わせた商品ブランドを構築するのはいかがでしょうか?
お客様が富裕層なのか準低所得層なのかは関係なく、
「無駄なものにお金を使いたくない」と思っている顧客に対しては
圧倒的な支持を得ることができる商品ブランドを構築するということです。
このように、単なるデザイン住宅やローコスト住宅というわけではなく、
今までの住宅商品のくくりでは区別できない領域へとアプローチする必要があります。
これがニッチな市場を独占するということで、
これから地場の工務店や住宅会社が生き残っていく方法の1つとなるのではないでしょうか?
拙筆ながら私の考えを書かせて頂きました。
弊社では、こういったニッチ市場を開拓するための商品戦略も展開しております。
商品戦略発表会も随時開催しておりますので、ご興味があればご参加ください。
私がお付き合いさせて頂いている会社の社長様が
「新築でできた借金は、新築で返す」とおっしゃられます。
新築市場が縮小しているから別の事業をとお考えになられる方も多いかと思いますが、
それでも新築で受注できる会社は強いと思います。
これからも市場の変化が激しい時代へと突入するかと思いますが、
そこで少しでもサポートできるように精進して参ります。
今後も何卒宜しくお願い致します。