中古住宅再販ビジネスの収益性
中古住宅再販ビジネスの収益性
代表の伊藤です。
今回は「中古住宅再販ビジネスの収益性」(買取再販)について
新築住宅事業と比較していきたいと思います。
一般の中古住宅再販事業は、運営する会社によって収益が全然違いますので
今回は、当社の提携先であるプライムホーム(岡山県)と新築平均で比較していきます。
①売上
注文住宅は物価高騰で建物価格は平均2558万まで上昇しています(外構、土地含まず)
※住宅産業研究所調べ
一方で買取再販は、築古物件を購入しリフォームを施して販売します。平均販売金額は2300万(土地込)です。
※プライムホーム参考
②利益
注文住宅の利益率は約20~30%。間を取って25%に設定します。2558万×0.25%で粗利益は639.5万になります。
ここから広告費用(販売金額の2%)だけ差し引くと注文住宅の平均粗利は588.3万となります。
買取再販は、1000~1200万の物件を仕入れ、300万~500万のリフォームを施し、
買取経費と利益を乗せて平均2300万で販売します。広告費用も差し引いて、利益の平均は425万です。
③効率
事業効率をひとくくりにするのは難しいですが、
まずは利益を稼ぐために関わる社員の人工数を数えてみましょう。
【新築注文住宅を1棟受注し完成するまでに掛かる人工数】
営業5人工、設計5人工、IC5人工、現場監督10人工、くらいでしょうか。
合計25人工です。
【中古物件を買取、リフォームし販売するまでにかかる人工数】
仕入1人工、設計1人工、IC1人工、現場監督10人工、販売0人工、合計13人工です。
買取再販のポイントは、営業マンがいらない(地場不動産に売ってもらうため)
自社物件なので設計やICに手間が掛からない、という点です。
次に顧客が出会いから収益に繋がるまでの期間で見てみましょう。
【新築注文住宅を1棟受注し引渡までにかかる期間】
土地探し3ヵ月、プラン2ヵ月、IC2ヵ月、現場4カ月、合計11カ月
【買取再販客を仕入れ販売するまでにかかる期間】
仕入1ヵ月、リフォーム3か月、販売4カ月、合計8カ月
これを、月間当たりの収益に置き換えると《粗利/月数》となりますので、
月間当たりの収益=粗利/月数
・新築=588.3万/11カ月=粗利53.5万円/月
・再販=425万/8カ月=粗利53.1万円/月
とほぼ同じパフォーマンスです。
④リスク
注文住宅と買取再販、どちらの事業リスクが高いか?
と聞かれればほぼ100%の方が《買取再販》と答えるでしょう。
しかし、財務が良い会社が多いのは、圧倒的に《買取再販を取り扱う会社の方》です。
なぜか?それを知るためには事業リスクを正しく理解することが必要です。
買取再販においては、
確かに初期投資で中古物件の購入及びリフォーム費用も持たなければなりません。
注文住宅は最初に何も投資が無いように「見える」。
しかし、それは見えるだけで、買取再販には掛かりえない費用が注文住宅には大量に発生します。
例えば、ショールームや展示場が必要かどうか、でいえば注文住宅業界は無いと厳しいでしょう。
注文住宅ですから、お客様は建てたらどうなるかが見えません。
新築業界で建売が注文より支持される理由ですよね。
また、集客するために膨大な広告費用が掛かります。
優秀な会社であっても売上の3%を広告費に投じる(モデルハウス減価償却含め)といわれています。
買取再販事業にはショールームやモデルハウス、宣伝広告費を必要としません。
ショールームは実物件がありますし、宣伝広告は他社不動産がかけてくれるからです。
また、人材面いかがでしょうか。
新築事業は、営業・設計・IC・工務とプロフェッショナルが必要です。
買取再販は販売するまでは自社物件なので間取りも、色決めも、工期も自社で決めれますので
人材のレベルは高くなくても対応できます。
⑤将来性
最後に将来性です。
これは残念ですが中古買取再販事業の方が高いです。
年収350万からターゲットですからね。
不景気になるほど新築から客が流れてきます。
今の子育て世代は、車は中古が当たり前、服はアウトレット、メルカリだったとしても
後ろ指を指されることはありません。
その流れが大きく住宅業界にも広がっているということです。
先入観で判断せず、建築業界に身を置くプロフェッショナルとして
是非中古住宅再販ビジネスに目を向けてみてください。
収益性比較 |
注文住宅 |
中古住宅再販 |
売上 |
2558万円 |
2300万円 |
利益 |
588.3万円 |
425万円 |
効率 |
53.5万円/月 |
53.1万円/月 |
リスク |
‐ |
‐ |
将来性 |
▲ |
◎ |