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住宅営業におけるインセンティブの考え方 1

こんにちは。
今回は表題の通り、住宅業界の営業職に付与するインセンティブの
考え方についてお伝えいたします。

営業職においては業界問わず、
成果が明確であり、且つ営業職の成果が会社にもたらす影響が大きいため、
成果に応じてインセンティブを支給する企業が大半となります。

しかし、支給する金額の計算式は各企業によって様々であり、
該当者すべてに納得感をもたらす制度の構築は非常に困難と思えます。

特に住宅営業においては、
金額も大きく、また関連するスタッフも多いため特に複雑になりがちです。

まず初めに支給する額について見てみましょう。

最もシンプルな考え方としては、
▪受注棟数×〇〇万円
という考え方があります。

契約した数に比例して一定のインセンティブが増えていくだけなので、
企業側も営業スタッフも計算しやすいメリットがあります。

しかし下記に該当する場合には問題が浮上します。
1.販売する商品が複数あり、それぞれ契約難易度や粗利額が異なる
2.案件によって粗利額(もしくは粗利率)に大きな差が生じる
3.契約に至るまでに、営業アシスタントや上司、他部署からの協力を受ける場合がある

1の場合には、契約難易度や粗利額の低い商品を契約した場合であっても支給額が変わりません。
そのため、営業スタッフの心理として難易度の低い商品を積極的に売るようになります。

それを会社が望んでいる場合には問題ありませんが、
そうでない場合にはインセンティブの設計を誤ったがために、
会社が意図しない方向に営業スタッフが走ってしまうことになります。

2の場合にも同様です。
営業スタッフが自身で粗利額をコントールできないような社内フローが
構築されているようであれば問題ありません。

しかしそうでない場合、
粗利額や粗利率に関係なく一定のインセンティブが支給されるのであれば、
わざわざ高い粗利率に設定する必要はなく、自ずと粗利額や粗利率は減少していく可能性が高くなります。

3の場合にはどのような問題があるでしょうか。
仮にすべての商談を上司に同席してもらい契約に至ったケースと、
完全に自力(※)で契約に至った場合で支給額が変わらないとすると、
少しでも確率が高くなり、また労力も軽減できるため上司の同席が増えることになるでしょう。
※実際には会社の名前、経費、ツール等を使用しているため自力ではありませんが

勉強期間中の新入社員ならまだしも、
そこそこのキャリアを持つスタッフであっても同席が多くなるようでは、
一向に地力がつかないどころか存在意義すらも疑問が生じます。

このようにインセンティブの設計と営業スタッフの行動は密接な関係があり、
会社が求める成果を支給額と紐づける必要があります。

契約難易度や粗利額の高い商品をより評価するなら、支給額に差をつける必要があります。
上司の力を借りた場合とそうでない場合で会社の評価が変わるようなら、同様に差をつけましょう。

今回は以上として、
次回は具体的にどのように設計していくことが望ましいのか、
事例を元にご紹介いたします。

また、近年の傾向としては、
営業職にインセンティブを支給しない(もしくは非常に少額)企業が増えてきております。
インセンティブ制度がない場合のメリットやデメリットも次回合わせてお伝えいたします。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

後藤

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