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評価の本質

評価の本質

 

代表の伊藤です。

有名な話ですが、

同族経営と非同族経営で財務内容を比較した時、

同族経営の方が内容が良いというという統計が出ていることをご存知ですか?

(実は財務の良い会社には同族経営が多い)

 

統計は存在しうる全ての企業に対し対応しているものではないため

100%そうである、と言えないものの

ほんの23年前までは上場企業においてそのような事実がありました。

 

私はこの記事を日経新聞で読んだ際、

 

「普通は逆じゃないのか?

非同族経営の方が優秀な実績を保てるのでは無いのか?」

 

と感じたことを覚えています。

 

同族経営とは世襲経営とも呼ばれ、

代表取締役はもちろんのこと、株主や取締役、役員の過半数を

同族でまとめ、非同族を過半数以下にしたような組織経営をいいます。

 

ドラマなんかでは、

ボンボンの息子が後継に失敗をし、代々続く名のある企業を潰してしまった、、

なんていう描かれ方をよくされることもあり、同族経営の印象は悪いかもしれま

せんが実際のところはなんのその。

 

「同族経営よりはるかに非同族経営の方が事業継承がうまく行っていない」

という事実があります。

 

世間でいう「同族経営がうまくいかない理屈」はこうです。

「創業者は能力が高かったため上手くいった。

しかし、息子が能力が高いとは言えない。」

だから同族でなかろうが

「能力がある人間に後継を任せた方が会社は永続しやすい」

 

しかし、実態はそうはいきません。

 

現実はこうです。

「創業者は能力が高かったために上手くいった。

非同族で優秀な人材から選ばれた後継者は引き続き能力が高い。

しかし、株式を保有しているわけではなく、ただの雇われでしかない

非同族経営者は、雇われ社長として最低限のパフォーマンスしか

発揮できなかった」

 

つまり、保有資産に対して

「資産を増やしても自分自身にメリットがない」もしくは

「資産が目減りするデメリットが自身の資産にダイレクトに反映しない」

ため背水の陣になれなかった結果、

(もしくは財務が他人事になった結果)

対したパフォーマンスを発揮できなかったということです。

 

能力があっても自分に直接的な影響(動機付け)がなければ

パフォーマスが落ちるという典型です。

 

逆に、同族経営の財務が良い傾向にあるのは

その影響(動機付け)が直結していることに他なりません。

 

創業者の能力が高くとも、同族の後継が高いとは限らない。。

何代も続けばごく当たり前のことだと思います。

 

しかし、同族経営は非同族経営と比べ自分自身への直接的なメリットや

資産が目減りした時の多大なデメリット、

または、代々続いてきた世襲経営に対する継続プライドなど、

自分自身への影響が分かりやすく直結します。

それが単純にパフォーマンスにつながっているという

創業者からすると何とも切ないお話です。

 

自分自身にメリットがあるかないかでパフォーマンスが変わる。

とてもわかりやすいことです。

特に日本はプロ経営者に対する評価が低く、

従業員の平均取得年収に対し、経営者に対しては多くても

10倍くらいの給料しか支払いません。

しかし2017年ベースで米国では従業員と経営者の所得の差は361倍。

サラリーマン社長であっても上場企業であれば尚更のこと

経営者に対しケタ違いに報酬を与えます。

 

そして、この圧倒的な資本主義が

「やってみないとわからない経営者」

を自動的に排除することとなり、

 

逆にやる前から実績が確定するような、

「不動のプロ経営者が育つ」

という事に繋がります。

 

今はメリットデメリットの分かりやすい経営者の話をしましたが、

大小あれど従業員であっても同じ、

評価制度の本質はここにあると思われます。

 

例えば現在の日本における多くの中小零細企業が

従業員に対し下記のような状況を続けております。

 

・会社が忙しくなっても従業員にメリットがない

・出来ることが多くなってもできない人と給与の差がつかない

・将来自分はどうキャリアを積んでいくのかが分からない

・社長のさじ加減で給与を決める

・社長のさじ加減で昇給が決まる


従業員にとって

「何を」「いつまでに」「どう」頑張れば、「いくら貰えるのか」

見えないので、

 

やってもやらなくても変わらないなら

 

「やらない」

 

という事に繋がります。

 

経営者は、

「うちの従業員は目標達成意慾が低い」

とよく言われますが、

それは必ずしも従業員の方ばかりに問題があるわけではありません。

 

目標達成意欲が低いのは

「目標を達成した時に自分がどうなるのか見えないから」

ということが原因になっていることがよくあります。

 

つまり、目標達成意欲の低い従業員が悪いのではなく、

やる気を出させる仕組みを作れなかった経営者に問題がある場合もあるのです。

 

評価制度や給与制度は規模が小さな会社は

作る必要がない・・・と言った定説が何故かありますが

そのコメントは経営者が言っていることであって、

従業員からのものではないでしょう。

 

また、評価制度の目的が1年の結果だけを示す

「通知簿」

であるなら、緊急で作る必要はありません。

 

しかし、評価制度が従業員の目標を示す

「教育」

になるのであればモタモタとしていられません。

 

私たちのような小さな会社の場合、

目の前のことを捌くことに一杯一杯になり、

最も重要である未来をつくる採用や評価、教育業務を

ついつい後回しにしてしまいがちです。

 

特に評価制度は経営者が真剣に向き合わないと良いものは作れません。

しっかりとした評価制度は早い段階で実施するべきと考えております。

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