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悪魔の指標

悪魔の指標

 

代表の伊藤です。

経営者として優秀であるかどうかの指標に

増収増益を繰り返しているかどうか、があります。

この増収増益を「繰り返す」ということは、

 

人を採用する、

新たな商品を開発する、

新たな顧客を開拓する、

人を育てる、

 

など様々な壁を継続して乗り越えてきた証拠であり、

経営者はこの増収増益という言葉に

憧れまくっている、という説があります笑。

 

株式市場を見てみると、

創業より増収増益を永遠に繰り返す強者は実に多くいらっしゃいます。

 

そのような会社は当然PBRPERが共に高く、

多くの投資家は「優秀」で「価値が高い」と太鼓判を押します。

しかし、それを達成し続ける経営者はすごく大変です。

 

増収増益を毎期繰り返すというのは

フルマラソンを完走した後、、

「はい!もう一周!」

と背中を押されるくらい大変です(毎度の表現ですが笑)

 

しかも、ただ走ればいいのではなく、

毎度、ベストタイムを越えないといけません。

もう、、疲れるなんてもんじゃありませんっ!!(誰?)

 

増収増益という悪魔の指標に惑われせてしまった

悪い会社もたくさんいます。例えば、

 

Nセンター

M&Aを生業としており

代名詞は増収増益、時価増額1兆円を超えた

元スーパーエリート企業です。

しかし「粉飾決算」が明るみになると

株価は奈落の底に急行直下。

当然ながら高止まりしていたPBRもガンガン落ちています。

また、

 

Hカンパニー

私たちと業界の近いこの住宅コンサルティング会社も

「粉飾決算」に手を出し、

たった2年ほどで経営陣が3回も変わるほど

組織ガバナンスがズタボロだった実態が明るみになりました。

少し古いですが、

 

Rザップ

健康食品やトレーニングジムを運営する会社もそうです。

毎年決算報告で上がっていた増収増益という実績は幻影で

全てはM&Aが成せる売上増トリックと粉飾決算の合わせ技で

なんとか右肩上がりを演じていたものの、実態は真っ赤の会社だったのです。

 

彼らはなぜこんなこと(粉飾や無理なM&A

までしちゃうのでしょうか。

 

理由の一つはこうです。

増収増益すれば、投資家から認められ株価がドンドン上がります。

株式上場企業で経営者(経営層)が大量の自社株を保有していれば

単純に資産が倍増します。逆に、減収減益を繰り返すと株価が下がり

個人資産が半減します。

 

だから投資家に「嘘をつく」会社が出てくるわけです。

嘘をつき続けることにより、自分の個人資産を増やしてやろう、、、

ということですね。悪いやつです。。

 

しかし、個人資産(株)を持たない

「雇われ社長」

がこのような粉飾決算に手を出す場合もあります。

 

理由に株主(投資家)が怖いから、ということが挙げられます。

過去増収増益を繰り返してきたにもかかわらず経営者が

「自分の代になったら減収減益した」

と分かれば、株が下がり株主に被害をもたらします。

株主総会によりクビになることもあります。

 

今までの鮮やかな経歴は全て消し飛び、

挙句「今回の経営者は脳なし」というレッテルが貼られ、

代表クビという事態を超え、

さらに次の勤め先も亡くなってしまう、

という最悪の展開すらあり得ます。

 

それが怖くて、粉飾決算をしてしまう、、、

というわけです。可哀想ではありますが

それを実行してしまうのは、どちらにせよ悪いやつです。。

 

そうなると、上場メリットを感じない会社もたくさんいます。

例えば大阪に本社を構える、

某不動産会社は未上場です。

 

8年で売上100億を達成し利益もすこぶる順調で、

創業より毎年増収増益ですが

上場という目標を破棄しました。理由は、

無理な増収増益の達成を喜ぶのは株主のみ。

社員も顧客も弊害に遭うだけ、と考えたからだそうです。

 

私たちコンサル業界の頂点、

マッキンゼーやボストンコンサルも上場はしていません。

上場メリットである、

 

・知名度

・信頼度

・資本

 

3点セットもふんだんにありますからね。

全く上場メリットがないわけです。

 

話はそれましたが、

悪魔の指標に惑わされて、粉飾決算は言語道断として

売上を傘増しするだけのM&Aや無理な経営判断をしないよう、

本当に強い、賢い経営をしないといけないと考える今日この頃でした。

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