「ムチャぶり」が人材の成長をつくる
「来月のイベントの企画・運営を君に任せようと思うけど、やってみるか?」
と急に上司に言われたとします。
イベントの企画・運営はいままで任されたことはなく、現時点ではできません。
また、イベントまでは1ヵ月しかなく、準備する十分な時間はありません。
当然、失敗しても良い内容ではありません。
こんな時、ほとんどの人は下記の4パターンのいずれかに当てはまると思います。
1.(できるかどうか不安だけど、何とかなるだろう。いや、何とかしよう)「やります!」
➔積極的にやる
2.(うわ~、このタイミングか~、でもこれは断っちゃいけないんだろうな~)「や、やります」
➔仕方なくやる
3.(いやいや、1カ月前に言われても…。さすがに無理だろ)「今回は立て込んでいて、急にやるのは難しいので、次回からやらせてください」
➔先送り
4.(そんな負荷がかかる仕事は絶対したくない、断ろう)「自信ないので、他の人にお願いします..」
➔拒絶
さて、あなたの会社にはどのタイプの人が多いですか?
大きく分類すると、
1.2は実際に行動します。
3.4は実践しません。
1と2は能動的に取り組むか、受動的に取り組むかの差です。
3と4は次回の可能性があるかないかの差です。
経営陣から見れば、1が多くあって欲しいと願うことでしょう。
自発的に取り組む1の人材は、おそらく良い成果を残します。
依頼した側も快く引き受けた1の人材に対して良い印象を持ちます。
安心して任せることもできます。
しかし、実際に多いのは2か3ではないでしょうか。
2と3を比較して、2の方が多い会社は問題ないと思います。
しかし、3が多いようでは要注意です。
2と3、どちらも積極的でないことには変わりありません。
しかし、2は実践します。3は実践しません。
また、次回実践するのかもしれませんが、
この場合、次のチャンスが回ってこない可能性が高くなります。
一度任せてみようと思い、問いかけた答えが「NO」。
1のように引き受けることを期待していた上司はがっかりします。
そして次に機会が回ってきたとしても、もっと意欲的な別のメンバーに任せるようになります。
結局、実践する機会が得られず、ずっとできないまま。
なぜ3が多いと要注意なのか、3は成長しないからです。
2は嫌々ではあるけど、実践します。
嫌でもやらなきゃなりません。
準備も練習も必要です。
そして本番を迎え、うまくいけば大きな自信と達成感が得られます。
上手くいかなかったとしても、課題が見つかります。
そして貴重な「経験値」を得ることができます。
どちらにしても大きく成長します。
1が多ければ全く問題ないのですが、
そうでない場合、無理やりでも、嫌々でもよいので任せてしまうことをお勧めします。
いままでやったことがないことをやる。
それだけでも人は成長します。
できなかったことができるようになります。
重要な業務を、経験のない人に任せるのは非常に勇気がいることです。
しかし、時には「ムチャぶり」してみてください。
新たな才能が開花するチャンスかもしれません。
後藤