決める力
経営者が決めた通りになる
代表の伊藤です。
「会社は経営者が決めた通りになる」
私が尊敬する提携先のT社長が以前から言っている言葉です。
今期年間40億の売上、11年連続で増収し続ける経営者が言った言葉ですから
非常に説得力があります。
この会社は5年後140億の売上を本気で狙っています。
そして、有言実行を続けてきたT社長をよく知る人たちは
「本当に行くのかもしれない」
と思っていることでしょう。
会社は経営者が決めた通りになる・・・
「そんなに簡単に出来るのであれば苦労はしない」
「ごく一部の才能ある経営者の言葉だろう」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
私も以前までそう思っていました。
しかし、T社長はこのような事例を話しておりました。
「以前の当社はお客様第一で、一棟一棟を丹精込めて作る
一心で経営していた。その為、従業員は家づくりには夢中になるものの
売上・利益・契約などの数字に対してこだわりがなかった。
これではいけないと思い、営業会社を目指そうと
『決めた』
そうすると、経営の方法は変わってくる。
会議では営業の数字をしっかり追求することのなるし、
数字をあげた人材を褒め称える。
数字にこだわれる人材を募集し、そのような組織を目指す。
1年後、当社は営業会社になっていた。
しかし、懸念はしていたものの退職者が異様に増えた。
これではまずいと思い、以前と営業会社の中間を目指すように
『決めた』
そうすると、評価の仕方、会議の仕方、何もかもが変わってくる。
1年後、会社がより良くなり、退職者にも歯止めがかかった」
この経営者が「決める」ということ。
文字数で言えばたった3文字ですが
その覚悟たるやそうできるものではありません。
以前もあげた事例ですが、
メジャー野球を目指すのと、
草野球で満足できれば良いのと
その練習量が全く違うように、
大事なのは決めたことに対し、その行動量が
伴うか伴わないか…。
T社長は一旦決めたことに対して
本当に真摯に、まっすぐ行動します。
「まるで結果が結びつかないことなんて万が一にも無いかのよう」
に自ら決めた目標に向かって純粋です。
例えば、
売上が今期28億で着地し、来期目標を41億に設定していたとします。
人員計画だけ見ても
30名以上足りません。
その現実が分かった時、
果たして前期の時点でその足りない30名の採用を決断できるでしょうか。
万が一にも前期と同じ売上、粗利の着地であれば
間違いなく赤字転落です。
事例が、本来より短期的すぎますので
短絡的に聞こえるかもしれませんが、
T社長の「決めた」後の行動は
計画が計画で終わらないための
純粋な決断の連続に思えます。
この、
「決めたことに対して純粋に行動する」
事こそ、企業成長の根幹になるのかもしれません。
私も少しだけ思い当たる節があります。
それは独立を決断したときの話です。
(脱サラ組はみんな共感いただけると思いますが)
「もしかしたら失敗するかもしれない」
という思考がなかったかと言えば嘘になります。
もちろん、頭の片隅に、
「万が一・・・」
というネガティブな思考は残っていました。
しかし、それを追求したところで
なんの成果も出せません。
万全を期しますが、
その「万が一」を「なんとしても成功させる」に変えないことには、
先に進むことはできないのです。
これらの事は、なにも独立時のみに考える思考なのではなく
何年たっても経営を続けている以上、永遠に続く事なのでは
ないでしょうか。
どれだけ、
安心安全な資金繰り、
万全な営業戦略、
差別化された商品開発、
安全係数を見込んだ人員計画、
をしたとして、100%はありません。
自身が決めたことに対して
達成するはずの計画を行動に移す
のは経営者にとって毎度大きな覚悟が伴います。
「実績が伸びない・・・」
それは経営者の頭の片隅に成長の逆側にあるリスクがチラつき、
「本気で目指していない」
覚悟の足りなさが、その根本にはあるのではないでしょうか。。
その根本から本来打つべき施策を打ち切れず
施策を打たなかったので、当たり前のように現状維持になる。
それは
「なぜ」
ではなく、
「なるべくしてなった」
結果ということになります。
私のような小規模な会社は
この覚悟の部分で勝たなければ
他社に秀でる要素はありません。
従業員を抱える以上リスクヘッジは最も重要なことでありますが、
一歩一歩でも良いので
しっかり前に進んでいきたいと思います。