評価制度が人材の成長をつくる(後編)
前回の続きです。
人は誰しもが、他人に認められたいという強い願望があり、
それは仕事をする動機にもつながります。
一方で、成果に対して満足のいく評価を得ることができなかった場合、
モチベーションダウンにつながり、その後の成果に大きく悪影響を及ぼしてしまう
可能性もあります。
しかし多くのビジネスマンが、
自身の成果に対する会社の評価に満足していないのが現状です。
そこで人材の活性化に活用いただきたいのが、
『評価制度』です。
人材が、正しい方向に対して自発的な努力を誘発するのに
効果的なのが評価制度です。
評価制度と聞くと、どのような印象をお持ちでしょうか?
「過去の結果を分析し、社員を管理するためのもの」
と思われる方も多いかと思います。
しかし、私たちが推奨する評価制度は、
過去に向いたものではありません。
過去ではなく、未来を創っていくためのものです。
評価制度の設計次第で、会社は大きく成長します。
一方で、評価制度がなかったり、設計を間違えてしまうと、
会社の衰退にもつながりかねません。
評価制度があるからこそ、
・社員が正しい方向に成長し、
・優秀な人材が定着し、
・新たな優秀な人材を採用することができる
のです。
人材の育成や採用に大きな力を発揮する「評価制度」は、
企業を成長させるためには必要不可欠な要素と言えるでしょう。
経営者と社員の間には、
非常に大きな壁があり、
理解しあうことは困難と言われています。
実際に、
『経営者が社員に対して求めていること』と、
『社員が仕事に求めているもの』
は一致しないことが大半です。
だからこそ、経営者は社員に対して、
『なんで仕事をしてくれないんだ』
社員は会社に対して、
『なんで分かってくれないんだ』と思い、
双方の想いが合致することは困難です。
この2者間の想いを統一する役割を果たすのが、評価制度です。
評価制度を以って、
『あなたに望むのは、これらの項目です。これを達成することで評価します。』
という経営者側のメッセージが明確になります。
社員は、『これらを達成すれば、会社から評価される』という、
認められ報酬がもらえる項目が明確になるため、
この評価制度の項目を達成することに目を向け、行動します。
会社が求めていることを、社員が意欲的に取り組むことができるため、
双方の目的が合致します。
また、会社が求めていることは、
当然会社にとって利益をもたらすことであり、
社員の成長にもつながる内容のため、
評価制度に向かい社員が行動すること自体が、
会社の成長や人材の成長にもつながるのです。
もちろん、評価制度を構築するのは単純ではありません。
公正な評価基準にしなければ、
優秀な人材であればあるほど不満が募り、
最悪のケースでは、優秀な人材の流出にも繋がりかねません。
また、評価は給与にもつながるため、
評価制度の設計を間違えてしまうと、
利益が出ていないのに給料が大幅に増えたり、
部署間やポジションによって格差が生じたり、
それらが原因で人材の不満が生じたりと、
様々なトラブルを引き起こす可能性もあります。
正しい知識を以って、評価制度を作成し、
ぜひ企業の成長に有効活用してください。
評価制度作成のポイントはまた別の機会にお伝えいたします。
後藤