「資産価値が上がる」の嘘
ラストコンパスの大久保です。
よくハイコスト・住宅の単価を上げるという体の良い理由付けとして「資産価値」を引き合いに出す会社が多くいます。
日本の住宅利用年数は30年と言われてます。
これに対してアメリカは55年、イギリスは77年。
果たして「資産価値」を上げることで、日本の住宅利用年数を引き上げることは可能か?
そもそも根本論として長期優良住宅や高性能住宅を建てることで「資産価値」を抜本的に引き上げれるのか?
この問いに対して私は疑念しかありません。
私が着目しているのは日本の構造的な要因となる
日本の「出生率」「過疎化・過密化」です。
今、日本はご存知の通り「超高齢化社会」です。
日本の出生率(女性の子供を産む平均)は1.4です。ひと昔前は、4.2ほどありました。
そして更にここからまだこの数値は減少していきます。
それに伴い
ボリュームゾーン(28~38歳)の家を建てる若年層は年々減少してます。
当然家を「建てる人」が減れば、需要が減少するので価格は下がります。
アダム・スミスで言うところの「経済における価格の自動調整」「神の見えざる手」というものです。
そして「過疎化」「過密化」も各地域の需要を増減させる原因です。
と、色々論じてきましたが、
結局何が言いたいかと言うと・・
多くのハウスメーカーや住宅系FCが訴求する「資産価値の高い家」とは、
資産価値の”幹”ではなく”枝葉”である「性能」で解決しようと躍起になっていますが、
根本論を解決するには
「日本の人口を増やす」「都市部への一極集中を減らす」こと。
これは言ってしまえば、明日の天気を自力で変えるが如し「無理」なことです。
資産価値という考え方は非常に重要な考え方だと思いますが、
私は「家は住むもの・暮らすもの」と思っており、
資産価値を考える前に、考える必要があるのは
結局「暮らし」ではないかと、個人的に思っています。
自分の人生の紆余曲折で見つけた「答え」こそが真実であるように
体の良い情報操作に惑わされないように
皆様ご注意下さい。