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「商品化」と建築コストの関係性

 

大久保です。

 

今回のブログは住宅の「商品化」とコストに関する話をさせて頂きます。

 

 

あなたは「商品化」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

この言葉は、十数年前に生まれた考え方で、

 

 

当時は工務店様が建てる家づくり=フルオーダ―(間取りも仕様も形状も全てが自由)

が当たり前でしたが、この考え方を根底から変えた

 

 

”家づくりをルール化”して販売していく一連の流れ

 

のことを指します。

 

 

例えば、

フルオーダーの住宅は、

「ここの色を変えたい」「ここの形を変えたい」「間取りはこうしたい」

など、顧客の要望を100%反映できることを強みとしていますが、

 

逆にデメリットは時間とコストが大幅に掛かることです。

 

 

どういうことか?

 

 

例えば見積りをするにも、フルオーダ―であれば

基礎や電気工事や木材など15業種以上の業者に見積りを取り、1つ1つの金額を拾い上げ、そして今回のお家は●●円です。

とお客様に金額を出します。

 

 

金額が出るまでに概ね2週間程時間がかかるので

金額出して!とお客様に言われてから、次回の打ち合わせは最低でも2週間後となり、

 

 

そして、そこから「やっぱりここを変更して欲しい!」となると

また時間が長引いていくわけです。

 

 

”時間が掛かること”は当然その間に会社を運営していく管理費や人件費などのお金が掛かるので

利益を圧迫していく原因となり得ます。更には数回、数十回と打ち合わせを重ねたあげく、

 

 

お客様から

「やっぱり他の会社にします」と言われたり、

 

連絡が繋がらなくなる‥など

 

 

そういったことも日常茶飯事だと住宅会社様から良く聞きます。

 

 

つまり、その時間のロスをなんとかしたい

ということで、住宅のルール化が始まっていったわけです。

 

 

例えば‥

部屋の大きさを変えれば+●●円

家の形状を変えれば+●●円

壁を増やせば+●●円

屋根を瓦からガルバに変えれば+●●円

 

 

など四角形の家を標準として、変更に伴いルールを細かく決定していきました。

あまりにも複雑なルールは難しいですが、おおよそ顧客が望む要望を反映できるような

ルールは網羅でき、

 

 

そうすることで顧客サイドから見たらフルオーダ―住宅のようで、

内部的にはセミオーダーのような家づくりが可能になったのです。

 

 

さらに今まで数週間かかっていた見積りは30分で概算で算出されるようになり、

結果的に商談効率も改善していきました。

 

 

さてそこから更にこの商品化には

まだまだ恩恵があります。

 

 

①工期短縮と作業効率のアップ

 

→ 通常フルオーダーの住宅は様々な形状の家のため、

大工さんなどの数をこなすことによる熟練化が難しかったが、

企画化されたことによって作業効率が上がった。

 

またある程度ルールが企画化されたため、工事工程や段取りが組みやすくなり、

工期が短くなり、作業の不確定要素によるロスが減った。

 

 

②仕様の決定によりコストが落ちた

 

→職人さんに対して、「こういったルールを基準にした家を行う」という仕様を宣言した状態で

工事依頼が可能になったため、

様々な家を建てる可能性があるフルオーダーの場合は不明瞭だった人工数や材料費などが

職人さんサイドも把握し易くなり、コスト交渉がし易くなった。

 

 

また、キッチンやお風呂などの設備に関してもその会社が推奨する”標準仕様”を決定したことで

モノを卸す商社さんサイドも年間売上の目途が立ちやすくなり、交渉に応じてもらえる可能性が上がった。

 

 

つまり、

ルール化により業務範囲や作業手間、工期が明瞭になり、コストも必然的に落ちた

 

というカラクリです。

 

 

それが一世風靡したのが十数年前、

バブル崩壊後のデフレ真っただ中で「ローコスト住宅」や「坪単価」という言葉が出だしたあたりです。

 

 

お分かりいただけましたでしょうか?

これが私が把握する範囲の商品化のカラクリです。

 

 

そして、そこから時代は移り変わり、「商品化」の考え方は

アップグレードを繰り返し、形を変え、様々なコンサル会社に派生していきました。

 

 

もしあなたの会社が「コストダウン」をしていきたいのであれば、

商品を決め、ルールを決め、仕様を決めることで

その課題は自ずと解決できるはずです。

 

 

では。

 

 

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