「メタファー」を仕掛けよ。
大久保です。
私の記憶が正しければ・・ですが、
中学校一年生の国語の時間で習った
「直喩(ちょくゆ)」と「隠喩(いんゆ)」という言葉があったかと思います。
どちらも同じく比喩表現で、
「太陽のような笑顔」と言ったように「~のような」で直接的に比喩する表現を「直喩」
「子はかすがい」など、直接表現を使わずに比喩する表現を「隠喩」
さらに高度になると、隠喩の中でもある一定の人しか気付かない表現も
あったりします。
それが「暗喩(あんゆ)」です。
厳密には隠喩と同義語らしいですが、隠喩と暗喩を個人的に分別すると、
隠喩よりも、もっと難解な比喩表現で、
比喩自体を ”あえて気付かせない” 技法を「暗喩」と
私は解釈しています。
例えば話題になったのが、興行収入245億円を超えた映画「君の名は」です。
暗喩的な表現がありすぎて説明できないですが、作中で15個以上あると言われています。
漫画で言うと、尾田栄一郎さんの「ONE PIECE」の伏線も度々話題を呼んでいますよね?
何度か見た人だけが気付く暗喩(メタファー)と言う名の「仕掛け」です。
ラッパー「R指定」さんの歌詞は、バックグラウンドの知識を持っている一定の
人だけが読み取れるリリックを書くことで話題になったりしています。
(助演男優賞という曲の中にスラムダンクの小暮が分かる人だけがかろうじで読み取れる)
助演男優賞→いきなりバスケの話→田岡が見逃した不安要素→こんぐれぇ君の分(小暮公延)→シックスマン→助演男優賞
その他フリースタイルダンジョン内の即興ラップでも、度々メタファーを使用しています。
つまりこの暗喩(メタファー)をどこにどう入れ込むかで、
クリエイターのセンスは問われると言えるかと思いますし、日本文学的な表現技巧の
頂点のようなテクニックだと個人的に思っています。
私も資料作成をすることが多いので、対象となるペルソナのごく一部だけが読み取れる
メタファーをタイミングがあれば使用しています。
例えば、
3000部(30万)で15社を現地に集め、7社(1400万)のご契約頂いたDM「Less is more」
キャッチコピーがなぜか「Less is more 」という暗喩表現を使用しました。(ミース・ファン・デル・ローエを知ってる人しか分からない)
新卒採用パワーポイントに
エヴァ風フォント「次回予告」でタイトル「売上をとりもどせ」(北斗の拳)
(パチンコ好きな人しか読み取れないが、知っている人が見たらなぜか「激熱」のイメージが刷り込まれる「仕掛け」(笑))
などなど、、
つまり
その知識を持つ一定の対象者だけが分かるが故に、
それを自分だけに対して向けられた強烈なメッセージとして受け取るのです。
アメリカなどであれば、直接的な表現を好む傾向にあるかと思いますが、
日本の文化で言うと、多彩な枕詞などでも分かるように、”遠慮”や”謙遜”など
間接表現を好む傾向にあるかと思います。
文化の違うマーケティングの本を読めば、、事例がひとつも使えねー。と、思うことも
まさにその通りで、
例えばダン・ケネディさんなどで有名なアメリカで生まれたDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)
はアメリカの文化が色濃い直喩式ですので、
日本では暗喩式(婉曲表現)に変換して使用しなければいけません。
なので、日本では度々メタファーを使用した、
なんとも趣のある表現が話題に上がるのです。
ということで、今回のブログは「メタファー」に関する私なりの所感となりましたが、
この表現技法を上手に活用することで、
マーケティングや資料作成に生かすことが出来ますので、
少しばかりご紹介させて頂きました。
では。