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走りたくなる法律

「走りたくなる法律」

 

代表の伊藤です。

今回は「営業」を伸ばす方法について話したいと思います。

 

経営者として売上・利益とは

「命がけで取り組まねばならない指標」であり、

経営者が日々勉強するのも、高額なコンサル費用を支払うのも

結局は売上・利益を伸ばすためと言って過言ではありません。

 

その、売上・利益に最も近い距離で戦っているのが

 

「営業」

 

です。

 

同じものを

同じ金額で

同じ期間で

 

どれだけ売れるか?

 

最も比べやすいシンプルで公正な土俵の上で

逃げも隠れも出来ず、

最も優秀な営業から

最も優秀でない営業まで、

ズラッと優劣が付きます。

 

そんな経営的に最重要項目である「営業」を

伸ばす方法はいくつかあり、その中でも抜群に効果を発揮するのが

 

「評価制度」

 

です。

私に最初に営業を叩き込んでくれた人で

松原さんという方がいます。

松原さんは私が18歳の頃、

ガソリンスタンドでバイトをしていた時、

店長をしていた方でした。

 

当時、時代はデフレの真っ定中、なんとレギュラー1L80円と

今では考えられない状況で「油を売ってる」ということわざが

笑えないほどバタバタとスタンドが潰れる時代でした。

 

それもそのはず、売価が80円なのに仕入れが81円と

仕入れが売価を上回っているという、

考え難い状況がガソリンスタンド業界を取り巻いていたのです。

そんな中、生き残りをかけて、松原店長が出した結論は

 

「ガソリンスタンドがガソリン以外で収益を上げる」

 

ということでした。

つまり、洗車やオイル交換、ラジエターからバッテリー、タイヤ交換まで

ガソリンスタンドがガソリン以外の収益で利益を成り立たせようという

戦略です。

そんなことも知らない、

ただのバイトの私は時給850円からスタートしました。

 

はじめての出勤は

17時から22時の5時間。

給油やレジの打ち方も早々に、洗車やオイル交換など、

「ガソリンを入れにきた人に対するガソリン以外の

オプションメニューの受注の取り方」

を手取り足取り教えてもらいました。

 

完全にマニュアル化したものをしっかりと実行した私は

初日5時間で約20000円のオプション売上を上げる事ができました。

その日、松原店長から、

 

「今日の自分自身の売上と利益をグラフに書いて貼っておいてくれ」

 

と言われ、控え室を見ると、私以外にも

個人成績がズラッ。。私がいた店舗には15人くらいのバイトがいたので

まず15人分。支店が他にもありましたので約40人くらいの業績が比べられる

状況でした。グラフには、

 

・1時間当たりのガソリン以外の利益目標→850

・1日の利益目標(5時間×850円=4250円)

・1ヶ月の利益目標(10日間であれば42500円の利益)

 

という個別指標があり、

そのグラフは棒グラフ(1日)と線グラフ(累計)で作られており、

そこに、実績の分だけ色を着色していくという仕組みでした。

 

それぞれを決められた目標に対し3ヶ月連続達成すると

50円時給アップ。

 

逆に80%未達が3ヶ月続くと

50円時給ダウン。

 

それに加え、頑張ってオプションを売れば

月に1万から2万円程、業績に応じて時給以外のボーナスがもらえるという

評価制度が確立しており、

その仕組みを作ったの店長の松原さん、当時27歳の方でした。

 

「バイト後に今日学んだことを書け」

 

と言われ、仕方なく書いていた毎日の日報にも

松原さんは毎回コメントとアドバイスを書いてくれており、

最初はぶつくさ言っていたメンバーも松原店長のコメントを

しっかり読む習慣が出来ていました。

ガソリンスタンドなのに(?)朝礼や夕礼もガッツリあり、

営業会社さながらのコメントを皆さん発していました。

 

個人成績が良ければ松原店長より

「昨日、伊藤という新人が5時間で2万円という売上を上げた。

新人でもまじめに素直にやれば数字は上がる。ベテランは手を抜かない事」

と細かく触れて、新人のモチベーションを上げるとともに

ベテランのケツを叩いていました。

 

利益率が最も高かったのは洗車、次にオイル交換、ラジエータ交換、

利益、工賃ともに最も利益率が低かったのが、バッテーリー交換でした。

バッテリーは原価も高く、低価格のものであれば収益は1500円くらいしか

ありませんでした。

 

なぜ、バイト程度の人材が、利益を把握しているかというと

それぞれのオプションの利益額を教えてもらっており、

利益率の高いものの方が、実績に結びつきやすく、

評価も高かったからです。

 

数ヶ月後

40人中、私は1位の成績になりました。

2位は不良で金髪の藤崎という人でした。

 

私とその藤崎は、どうやったら売上があがるか?

リピーターが増えるか?

リピーターが来た時に自分に指名を貰えるか?

と、プライベートのことはそっちのけで、いつも仕事の話をしていました。

余談ではありますが、驚くべきことにアルバイトとして最後の方は私も藤崎も

車がガソリンスタンドに入ってきた瞬間にその車が洗車をするかどうかが見極められ、

会話をすれば、オプションがどの程度取れるかも予測できるようになりました(笑)

 

そのガソリンスタンドは、3店舗ありましたが、

全店、松原さんの考えた評価制度に則って運営され

全国的にも業績が優秀ということで、

周りの競合や県外から同業者が見にくるほどになりました。

しかも業績が良いだけでなく

社内の空気もめっぽう明るく、

みんなでバーベキューをしたり、スノボ旅行に行ったりしていました。

 

同じものを

同じ金額で

同じ期間で

同じ場所で

同じ人が売る。

 

しかし、

その「運営方法」や「適正で的確な評価制度」により、

勤める人材の行動は「あきらかに」変わります。

行動だけでなく「思考」や「仕事観」すら変わってしまうのです。

 

営業実績を伸ばす方法を考える時、

「売り方」だけを一生懸命考える事がありますが、

 

その評価制度で頑張りたくなるのか?

 

を一度見直してはいかがでしょうか。

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