ウッドショックとアイアンショックへの対応
ウッドショックとアイアンショックへの対応
代表の伊藤です。
今回はウッドショック及びアイアンショックについて
触れていきたいと思います。
皆さまご存知のウッドショック。
住宅業界は大きな影響を受けておりますが、
それも終焉に向かっております。
まず、ウッドショックのおさらいからです。
2021年、米国の景気刺激策により住宅着工が極めて旺盛になりました。
それを受け、商品先物市場が高騰。買いが買いを呼びバブル相場に。
一途気は通常の3倍の価格で取引されていました。
しかし、2021年5月を境に
・(米国が)材木が高騰しすぎたため住宅着工を控えたこと
・投資マネーが引いたこと
これらが主な要因として価格は急落。
現状は元値とはいきませんが
以前よりかなり落ち着いています。
先物市場にて高騰した材木は、秋頃に住宅市場におりてくるため、
現在の仕入れ金額はかなり高く年内一杯は高止まりし、
来年1月から3月にかけて調整が入っていく見方が強いようです。
次にアイアンショックについてです。
2021年8月、業界トップシェアの日本製鉄がトヨタ自動車に対し、
t2万円の値上げを迫り、トヨタ自動車はこれを譲歩しました。
トヨタ自動車の原価管理は世界的にも有名で、
乾いた雑巾をあの手この手で絞り倒します。
そのトヨタが譲歩するぐらいですから、この一件から見ても
アイアンショックは非常に厳しい状況であることがわかります。
なぜアイアンショックが起きているかはウッドショックとほぼ同じ要因になり、
アメリカ・中国を中心とする世界各国の経済刺激策の影響で、
莫大な鋼材ニーズが発生しているからです。
ウッドショックと違う点を挙げるならば、
材木は国内産で賄える範囲がありますが、
鉄鉱石はほぼ100%海外から輸入してるところでしょうか。
日本には原資がないため海外情勢は材木以上に影響を受けます。
昨春はtあたり80ドルだったものが5月には200ドルになり、
6月は214ドルに上昇。
結果、現状は鉄の値段が20%アップ程度にとどまっているようですが、
段階的に200%まで上げていくという会社もいらっしゃるようです。
一方で住宅業界への影響はというと、
9月9日、積水ハウスは第二四半期決算にて
ウッドショック50億、アイアンショック20億の損失を
受けていることを明らかにし、
その分は客に添加せず自社負担することを公表しました。
しかし、ウッドショック・アイアンショックの影響で
減収減益かとえいはそうではありません。
売上1兆2236億(作対4.8%増)、
営業利益1096億(作対18.4%増)、
経常利益1113億(作対22.8%増)、
大幅増収増益。
2円増配で絶好調。
大したショックは受けていないようです笑
日本の住宅市場全体を見ても、
過去最高受注、過去最高売上、過去最高利益を叩き出す会社が続出。
持ち家9ヶ月連続プラス成長。直近4年で最も良い数字とのことです。
しかし、住宅の原価という意味では
これから非常に厳しいものがあります。
ざっと見ても、原価アップの要因として、
・ウッド、アイアンショック
・省エネ、ZEH基準義務化
・労務費の上昇
・インボイス制度
が考えられ適正な値上げをしないと利益が減ります。
現に飯田グループは平均販売価格を200万円上昇しています。
このような仕入れ価格に乱高下がある時こそ
適切な情報を知っている必要があります。
便乗値上げや不当値上げをしてくる会社もないともいえません。
例えば、基礎の金額が鉄筋が上がったから・・・という理由で
値上げ交渉されたとします。
住宅基礎における鉄の使用量は1.5t程度。
つまり2万円(20%増)から10万円程度(200%増)の影響しかないのです。
それを15万、20万値上げを求められているのであれば
その理屈を解明する必要があります。
しかし、情報を知らなければそれもできません。
ぜひこの機会に原価管理の勉強をしてみてはいかがでしょうか。