水面下の改革
大久保です。
2010年1月、JALが会社更生法の適用を申請し事実上倒産。
そこから政府からの依頼を引き請け、会社を再建し再上場させた人物
言わずと知れた京セラの稲盛和夫さんの話です。
どん底の状態からどのようにJALを再建していったのか?
大きくは2点あったと解釈します。
短期改革である、財務改善と
中長期改革である、人材改革でした。
短期的には人員を整理し、
優秀な一流大学を出た幹部で構成される企画部が現場を知らずに指揮を行っていたため、即座に廃止し
現場で働いたことのある人たちを幹部に引き上げたり、
給与を20%カットし、以前行っていたパイロットの送迎も廃止したりと
徹底的な経費削減を行う一方、
中長期的には
かの有名なJALフィロソフィーを掲げ、全社員を対象に社員の意識改革を行っていきながら、
役員や部長クラス、あるいはノンキャリアでも将来性のある若い人など、
選抜された52名を対象に、ほぼ毎日、1回1時間、稲盛さんが講義を行ったりと・・
つまり、「財務」と「人」に対して働きかけていったわけです。
結果、誰しもが無理だと言った
JALの経営再建を果たし、たった2年7カ月で再上場まで持って行き、
営業利益1800億、14%以上の営業利益率を達成。
国際航空部門の「ロイヤルティ(再利用意向)」は5年連続で第1位を取得するといった
まさに絵に書いたようなV字回復を果たしました。
なぜこの話をしたのか・・というと、
「会社を改善したい。」
私たちのクライアントはそのような住宅会社様がほとんどです。
様々な住宅コンサルティング会社や、住宅系FCといった選択肢が
あるかと思いますが、
コンサルティング=短期改善=現状課題の解決に目を向けるかと思います。
しかし、多くの著名な経営者は
損益計算書には出ないような中長期改善である、「意識」「制度」「人材」
など、ボディブローのように効いてくる改善も同時に目を向けているのです。
つまり組織力のベースアップです。
意識が変われば確実に思考が変わり、行動が変わります。
もちろん財務改善、集客など目に見えやすい指標にテコ入れしていくのも大事ですが、
もしかしたら潜在的な課題を解決するのは、
指標では見えづらい項目なのかもしれない・・
と思いましたので、
この場を借りてお伝えさせて頂きました。