権威性バイアス
大久保です。
「医学大学の教授が推薦する美容液」
「東大生が行っていたノートの取り方」
「有名ラーメン屋の大将が認めたカップラーメン」
ついついこのような上記の言葉に踊らされて
商品を選んでいる、選択を行っているのではないでしょうか?
これは、ご存知の通り「権威性」が及ぼす人間心理を
逆手に取り、商品を販売するためのロジックとなっております。
ということで、今回は「権威性」についてですが、
権威性の実験として知られる
「ミルグラム実験」というものがあります。
アメリカで行われた実験で、
被験者が教師役、生徒役はサクラを用意します。
この実験は、教師が生徒に対して問題を出し、
もし間違えた場合に生徒に電気ショックを与えるという実験で、
間違える回数ごとに電気ショックのボルト数を上げていく
といったなかなかハードな実験内容です。
しかし、実際には電気を流さずに、教師役の被験者は電話越しにサクラである生徒役の絶叫(のフリ)を聞く
という内容で、
電気による衝撃の度合いは下記の通りです。(wiki参照)
- 15ボルト “SLIGHT SHOCK”(軽い衝撃)
- 75ボルト “MODERATE SHOCK”(中度の衝撃)
- 135ボルト “STRONG SHOCK”(強い衝撃)
- 195ボルト “VERY STRONG SHOCK”(かなり強い衝撃)
- 255ボルト “INTENSE SHOCK”(激しい衝撃)
- 315ボルト “EXTREME INTENSITY SHOCK”(はなはだしく激しい衝撃)
- 375ボルト “DANGER: SEVERE SHOCK”(危険: 苛烈な衝撃)
- 435ボルト “X X X”
そして失敗するごとに、この60ボルトずつ電気ショックが上がることは事前に被験者に知らせておきます。
さてさて、実験の内容は
その悲痛の叫びを電話越しに教師側が聞き、教師側の人間(被験者)が、どのボルト数で実験をストップするかという
ことを測定するといった内容です。
実験の上で1つ重要な内容があり、
被験者がやめる意思表示を示した際に、
白衣の博士のような人物が現れ、通告をした回数に応じて、
下記の事を被験者に言います。
- 続行してください。
- この実験は、あなたに続行していただかなくてはいけません。
- あなたに続行していただく事が絶対に必要なのです。
- 迷うことはありません、あなたは続けるべきです。
実験は、
被験者が5度目の通告を行うか、435vの最大電気ショックを3度流すかで決着です。
さて被験者40人で行われたこの実験ですが、
どのくらいの人数が
最大の電気ショックを3度流す決断をしたと思いますか?
・・・
正解は(26人)65%
との結果でした。
これは、そのアメリカの大学の
心理学専攻の学生14人に取った事前アンケートでは、
最大の電気ショックを負荷する確率はごくわずかの1.2%という回答で、
予想とは裏腹に実験をやめない被験者が
多いことが物議を醸した実験です。
何が言いたいかと言うと、
白衣を着た如何にも権威を持った人に勧められると
断れない。という「服従心理」が人間の本来の性質に備わっているということです。
では、
この心理を活かし、住宅営業で活用してみます。
「年間300棟の意匠設計の実績を持つ建築家が監修したオリジナルプラン」
どうでしょう?
「自社の設計士が手掛けたプラン」と比較して
少しお客様目線での期待感は上がるかと思います。
顧客目線からすると
おそらくプランの変更もし辛いでしょう。
おそらくアポイント率や契約率も上がるでしょう。
なぜなら、そのプランには「権威性」が働いているからです。
つまり、権威性を活かすことで
営業を有利に持って行けるということがお分かりいただけるかと思います。
ですので、自社のリソースの範囲内で
使える「権威性」があるかどうかを探し、
営業で使用してみるのも面白いのではないでしょうか?