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どちらの人材を採用しますか?

 

 

経営者の方々は、日々様々な決断の連続ですが、
人材採用を行う上でも大きな決断を迫られ、
悩むことがあると思います。

 

それは面接を終えた後に、
「この人材を採用するかどうか」
という決断です。

 

実際に私たちがいただく人事関係の相談のうち、
TOP3に入るほど多い内容でもあります。

 

もちろん、
A:人格、能力共に問題ない
B:人格、能力共に問題がある
という状況であれば悩む必要はありません。

 

A ➞ 迷うことなく採用
B ➞ 迷うことなく不採用

 

となるだけですね。

 

ところが、
Aのような人を採用したくても、
どの企業でも重宝される人材なので、
なかなか巡り合えるものでもありません。

 

実際には、
C:人格は問題ないが、能力に不安がある
D:能力は問題ないが、人格に不安がある
というケースが多く、
この場合には悩みますよね。

 

仮にCとDのどちらかを採用しなければならないとしたら、
どちらを採用すべきか?

 

皆様であればどちらを選びますか?

 

現時点の情報だけでは多くの方が、「Dのような奴はいらん!Cを採用する!」
と即答されるのではないでしょうか?

そこで、少し情報を付け加えておきます。

 

Cは仕事が全くできないわけではありません。
指示されたことは真面目に実行します。
しかし自発的に考え行動するようなことはありません。

 

企業選びの優先順位は、「休みが多く、残業がないこと」のような人材です。

 

空気を読み、人との衝突は避け、チームワークを重んじます。

一方でDは、我が強く、チームワークではなく「個」を尊重します。
空気は読めず、周囲とよく衝突します。
ただし、嘘をついたり不正行為をするような
道徳的に問題があるというわけではありません。

また、仕事においては、自らの成果のために自発的に考え行動します。

企業選びの優先順位は、
「成果次第で稼ぐことや出世できること」
です。

さて、改めてご質問です。
CとD、どちらを採用しますか?

もちろん、この問いの解答はありません。
各社様の考え方によります。

 

育成制度や業務フローが整備されており、
たとえ能力の低い人材であっても、
戦力として有効活用できる企業であれば、
Cは求める人材かもしれません。

 

一方、営業気質の強い企業であれば、
欲や競争心の強いDはまさに理想的な人材かもしれません。

今回お伝えしたいことは、
C、Dどちらが優れているのかということではなく、
「Dのような人材は面倒だから無条件で受け入れない」
という考えの方に対して、
ときにはDのような人材も必要だということです。

 

一流のアスリートは、
必ずしも優等生で和を重んじるタイプというわけではありません。
我が強くわがままで、周囲と衝突を起こしてばかりの
トップアスリートは世界中に数多く存在します。

 

彼らは周りからすれば、
扱いが難しく厄介な存在かも知れません。
しかし、勝利をもたらしてくれます。

 

一方でCのような人材ばかりだとしたらどうでしょうか?
管理する側は楽でしょう。
全員が指示を守るため、統率が取れ、
トラブルも起こりません。
しかし、勝つこともできません。

 

趣味であれば問題ありません。
しかしプロスポーツ選手も経営も趣味ではありません。
結果を出さなければなりません。

 

Cは会社にチームワークを与えます。
しかし同時に、弛緩(しかん)や怠惰をもたらします。

 

Dは会社にトラブルを招くかもしれません。
しかし同時に、緊張感や危機感、競争心を与えてくれます。

 

弛緩や怠惰が企業を衰退させ、
適度な緊張感や危機感、競争心が企業の成長に不可欠となります。

確かにDによって、
様々なトラブルが起こるかもしれません。

 

しかし最も重要なことは、
トラブルが起こったのはDのせいではなく、
Dをうまくマネジメントできていないことが原因だと考え、
改善に取り組む姿勢ではないでしょうか。

 

そして、Dのような人材をやみくもに拒むのではなく、
うまくマネジメントして、力を最大限に発揮させていくことこそが、
成長企業の経営者の仕事ではないでしょうか。

 

おとなしい馬に乗って走り方を教え込むのも良いですが、
それではレースに勝てません。

 

力のあり余った荒馬に乗って、
見事に乗りこなすことができたときこそ、
勝利を掴み取ることができるのです。

 

そして、企業が飛躍する大きなきっかけとなることでしょう。

後藤正博

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