報連相が定着しない理由
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
ラストコンパスの秋岡です。
人事制度のサポートをしている時に、社員に対して意識してほしいことに「報告、連絡、相談」という俗に言われる報連相があります。
社員や部下が報連相をしないと感じている方は、もしかしたら、それは社員や部下に問題があるのではなく、報連相ができない環境をあなた自身がつくっている可能性があります。
「なぜ、報連相をしないのか!」
と時に怒りを感じることもあるかもしれません。
実は、この「なぜ」という言い回し自体が、そもそも報連相を定着させない言葉だったりします。
「なぜ」は原因究明の言葉で、原因究明自体が悪い訳ではなく、むしろ、同じ失敗をしないためにはとても大切なことです。
ではどうすればいいのでしょうか。
まずは「なぜ」という言葉を使用した時に、受け取り手はどんな気持ちになるのか、少し事例を踏まえてご説明したいと思います。
<例>
A君は契約間近のお客様を失注してしまいました。
上司
「なぜ、失注したと思う?」
この言葉には、「なぜ、(あなたが)失注したと思う?」という意味を受け取り手は感じてしまいます。そうなると、責められている印象を言われた側は受けます。
心理的に、人から責められること自体はストレスになりますので、避けたくなります。
そうすると、だんだん「これくらいなら報告しないでおこう」と、小さな失敗を隠していきます。
そして、それが続くと、大きな失敗すら隠すようになってしまう。
そうなると、目も当てられない結果になりますよね。
こうならないためには、
伝え方 と 捉え方
の2種類が大切です。
まずは伝え方です。
再度申しあげますが、原因究明すること自体はいいことです。むしろしないといけない必須項目とも言えます。
ではどのように原因究明をしていけばいいのか。
まずは 伝え方 です。
先ほどの事例で、
「なぜ、失注したと思う?」がありましたが、これは「失注」という明らかな「失敗」という言葉が先行していまい、責められている気持ちにどうしてもなってしまいます。
これを例えば、
「どうやったら契約できたと思う?」
と言うと、不思議と第3者の立場になって冷静に原因究明することができます。
少なくとも「なぜ、失注したと思う?」よりは、受け取り手の印象はいいと思います。
失敗をすること自体、本人が一番悔しいと感じているはずです。
それをさらに追い打ちをかけるように責められたら、失敗に対して否定的な感情を抱くようになると思います。
そこで次に 捉え方 があります。
失敗は改善点、つまりは、会社で解決すべき課題であり、それを解決した際には、次のステージに行くことができる、成功のための必要ステップと言ってもいいかもしれません。
ある調査機関で優秀なリーダーと一般的なリーダーをそれぞれチームに振り分け、業務を行っている上でミスがどれだけあったかを比べる検証が行われました。
その結果、以外にも優秀なリーダーのチームの方がミスは多かったのです。
では、優秀なリーダーがマネージメントを失敗したのかというと、そうではなく、ミスを報連相しやすい人間関係づくりと失敗に関する考え方を共有していたからだというのです。
失敗をそのままにしていては、同じ失敗を繰り返すだけでなく、いずれその人自体の信頼、そして会社の信頼も失ってしまいます。
失敗を成功の必要ステップとしてとらえ、失敗を歓迎することにしたんです。
もちろん、報連相があった失敗は改善していくことが前提です。
伝え方 と 捉え方
簡単なようで難しいですが、思い当たることがあれば、意識してみてはいかがでしょうか?
報連相が浸透しない理由はほかにもいくつかありますが、興味のある方は、個別で聞いて頂ければ幸いです。
それでは。