2回目の緊急事態宣言が発令されたことにより、
再びリモートワークの実施率が増えてきそうです。

今回はリモートワークのメリットとデメリットを考え、
効果的なリモートワークを実施するために
必要なことをお伝えしていきます。

まず、リモートワーク実施率の推移を見ていきましょう。

近年、日本は他の先進国と比べると遅れてはいたものの、
働き方改革などの後押しもあり、徐々にリモートワークの実施率は
増えておりました。

その段階では、生産性の向上など、
メリットを求めた一部の企業が導入しておりましたが、
1年前に転機を迎えます。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、
リモートワークを行う予定や準備のなかった企業までもが、
実施を余儀なくされました。

さらに、1回目の緊急事態宣言が発令された後には、
大手企業を中心に多くの企業がリモートワークを実施し、
5月の調査では過去最大の31.5%の企業が実施していたようです。

そのとき、リモートワークを普及させたいという思惑もあったのか、
実に多くのメリットがメディアで取り上げられていました。

★企業側の声
・オフィス関連の経費や交通費などを削減できる
・優秀な人材を採用しやすい(遠方や育児中でもOK)
・社員満足度が上がる(通勤時間や満員電車によるストレスの減少)

★従業員側の声
・通勤時間の短縮によって自分の時間が増えた
・面倒な人付き合いが減った
・自分のペースで仕事ができる

など、会社と従業員の双方にとってメリットが多く、
仮に新型コロナウイルスが収束したとしても、
リモートワークを続けていくべきだという企業が多かったようです。

しかし実態はどうでしょうか。

5月の後半に緊急事態宣言が解除された後、
10月の段階での調査では、リモートワークの実施率が18.9%まで下がっています。

そして今回再び緊急事態宣言が発令され、
政府や経団連などが各企業にリモートワークの実施を呼びかけている中、
実施している会社はどれくらい増えたのでしょうか。

結果は22%に留まっています。

あれほどメリットが多いと報道されていたにもかかわらず、
緊急事態宣言が解除されたとたんに半数の企業はリモートワークを止め、
再び宣言が発令されても、
「今回はリモートワークは行わない」という結論を出しているのです。

その背景には、
2回目の宣言のため、1回目ほどの危機感を抱かなかった
という理由もあるかもしれません。

しかしそれ以上に、多くの企業がリモートワークの長期にわたる運用には、
様々なデメリットが伴うということを実感している結果とも取れます。

メリットばかりが取り上げられがちですが、
実際にはデメリットも多く存在します。

デメリットを上げてみましょう。

まずは会社側からのデメリットは、
・設備投資に費用が掛かる
・情報セキュリティへの不安
・情報の伝達が困難
・ITリテラシーの低い年配社員の待遇
・押印など承認制度が不便
・人材育成ができない
・社員の状況や状態を把握できない
・労務管理や人事評価ができない

そして従業員から見たデメリットは、
・モチベーションの維持が難しい
・環境が悪い(デスク、Wi-Fi、プリンターなど)
・孤独を感じる
・運動不足になる
・分からないことを気軽に聞くことができない
・最低限のコミュニケーションの身になってしまう
・自分自身の評価が分からない(どう思われているのか分からない)

これだけ沢山あります。
一見効率的に見えるリモートワークも、
一時しのぎであればメリットが際立ち、
有効な手段として見えますが、
長期化することには多くのデメリットが浮き彫りになり、注意が必要です。

念のためお伝えしておきますが、
決してリモートワークを否定しているのではありません。
実際私も半分以上はリモートで仕事をしています。
ただし、デメリットを把握した上で、
正しく対策を投じなければ生産性は下がってしまうので注意しましょう。

起こり得る問題は、大きく分類すると4つに集約されます。

1.環境の問題
2.コミュニケーションの問題
3.人材育成の問題
4.人事制度の問題

まず、環境の問題ですが、
これは企業が投資をする以外方法はありません。

PCや通信、管理システム、セキュリティ対策などを整える必要があります。

そして次にコミュニケーションの問題です。

リモートでは、
オフィスであれば当たり前のように行われる世間話などの
コミュニケーションがないため、
孤独を感じやすく、
また連帯感を生みにくくなります。

さらに次の人材育成の問題にも繋がりますが、
必要最小限の報連相しかコミュニケーションを取らなくなり、
業務以外の育成ができなくなります。

そこで、業務の進捗確認ができ、
且つ定期的に人材育成に繋がるミーティングを
自動的に実施できる制度を整える必要があります。

最後に、最も改善が必要な項目は人事評価です。
会社側は、日々の仕事への取り組みや貢献度合いが測りにくく、
従業員は会社にどのように思われているのか分かりません。

この業況が続くと、
会社と従業員の間に溝が生まれ、
互いの不満につながります。

従業員に求める業務内容を明確にし、
成果を公正に評価できる仕組みが不十分な会社様は、
是非このタイミングで構築することをお勧めします。

まだまだこの状況はしばらく続くと予想される中、
必要な社内整備を行い、
会社の成長に繋げていただければ幸いです。

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後藤