情報の全てが、私にとっての最善とは限らない
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
ラストコンパスの秋岡です。
皆さんは、物を選ぶ時に迷ったりすることが多い方でしょうか?
私は、目的なしに買い物などに行ってしまうと非常に時間がかかってしまうタイプです。
大学時代の話になりますが、映画にはまっている時期があり、片っ端から名作という名作をレンタルしていました。
ある程度、有名な作品を見終わると、自分の目利きで作品を探すのですが、こうなるとなかなか決められないのです。
ひどい時だと、レンタルショップに2時間以上いたことがありました。
自分の好きなことなので、時間をどれだけ費やしても苦ではありませんし、別に誰かに迷惑をかけている訳でもないので、それ自体はいいと思っています。
しかしながら、これがセールスをする立場で、お客様がそういった状況だと、非常に困りますよね。
営業をする際に、お客様が非常に迷われることがあると思います。
住宅だけでも、間取りから始まり、外観、内観、仕様などなど
決めることが山のようにあります。
何を選んでもいい状況となれば、お客様が悩むのは当然といえるかもしれません。
だから、営業する側も、お客様が迷っている時は、そっと見守るしかないと考えている方もいると思います。
しかしながら、それが本当にお客様のためかというと、これは違うのではと思います。
実際に購入されるのはお客様ですから、当然、お客様に決定権はあるわけですが、お客様に圧倒的に欠けている部分があります。
それは、住宅に対する知識です。
知識がない状態で無数の選択肢から、失敗しないと思える選択ができる人はおそらく少数です。
だから、セールスをする上で、お客様には考えてもらう時間があってもいいのですが、軸となるような知識や情報は先に伝えておかなくてはいけません。
軸となるものは大きく分けると「予算、土地、住宅」の3項目だけです。
なので、初回接客時にはこの3項目をお客様に伝えなくてはいけません。
「いやいや、そんなこと言っても、今のお客様はネットなどで熱心に勉強していて、下手な営業マンよりも詳しいよ」という意見もあるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
お客様が知っている知識や情報が、そのお客様にとって正解かどうかはわからないと思います。
性能の考え方ひとつでもそうです。
性能は高い方がいいと私自身も思います。しかし、現実問題として予算があるわけです。
そうなってくれば、資金が潤沢な一部のお客様を除いて、性能にこだわれる幅は限られてくるはずです。
そのこと自体をお客様が把握していないことが多いように感じます。
相手が知識を持っていたとしても、こちらは住宅のプロとして、相手の知識にはない経験がありますので、その点はとても大きいと考えています。
お客様を迷わせない提案は、双方にとって労力が少なくなるため、いいことだと思います。
少し話は変わり、私が大学生時代の頃の話に戻りますが、論文を書く時にネットの情報を見て、まとめ上げたものを提出したことがあります。
それを見た教授からこんなことを言われたことがあります。
「秋岡君、熱心に調べたみたいだけど、この知識は君が体験したことなの?」
私はネットで調べた情報だと正直に伝えました。すると、教授は、
「これは確かに一つの立場からすればそうと言えるし、間違ってもいない。けど、これが全てでもない。ネットに書かれていることが真実とは限らない。だから、それを見極める力が必要だ。そのために、たくさんの方向から物事を見ないといけない。物事を表面だけで考えずに、ぜひ、その答えにたどり着いた経緯や、それが真実なのかどうかを考える習慣をつけてほしい。そして何より実践から学んでほしい。」
私はその時ハッとしました。
大げさにいうと、情報の全てが、私にとっての最善とは限らない
ということです。
住宅業界に長く携わった方と、つい最近ネットで勉強してきただけの人。
どちらが実態を知っているかは明らかだと思います。
それでは